暑寒別岳(1491m)
 
増毛(ましけ)町の暑寒別岳に登りました。
増毛町は日本海側に面した町で北海道の中では函館・小樽についで早く開けた町です。
自然の漁港に恵まれ鰊漁で昭和初期はにぎわいました。今でもその日に上がった魚を売っているお店が町中にあります。地酒の国稀酒造で作っている濁り酒も有名です。
幌内炭鉱からの石炭積出港として線路が早くから引かれ旭川からの木材積出港としても整備されたました

ヒマダヤ登山隊副隊長としては、今年の最終登山を何処にするか?
2週間ほど前から情報を収集し、事前にあお空隊長に綿密な相談をして…詳細な登山ルートを入手した暑寒別岳に決め
初の単独行 を決意しました。



自宅前(札幌)出発は、午前6時です。
石狩市内に入ると辺り一面は河霧と朝もで独特の雰囲気をかもし出していました
市内を抜け石狩湾に出ると目指す暑寒別岳が見えました。時刻は約7時(下画像右)
頂上に雲がかかっているようです。周りの空は全て真っ青…絶好の登山日和です
はやる心を抑え海沿いを北上しました。増毛までの道はかって知ったる道なので不安はありません。しかし、初の単独行と言う事で柄にもなく少々緊張気味です。
とても「ルンルン気分」ではいられません。「ドキドキ」です。


ホテル増毛を過ぎて橋を渡り、セブンイレブン前を右折するとリンゴやサクランボを作っているフルーツ農園方向に行く道路分岐があります。
(登山口の案内板が設置されています。暑寒別スキー場方向へ向います)。 そこで国道231号から道道546号に右折します。
 右折後スキー場を越えドンドンまっすぐ走ると急に道が細くなりますが、かまわず進みます。
暑寒荘はすぐそこです。2時間半かけてようやく暑寒コース登山口に到着しました(右画像)
 ガイドに登山届と暑寒荘利用は、増毛駅前の多田商店で受け付けているとありましたが、登山届はこの山小屋「暑寒荘」前にあるポスト内ノートで記入「OK」。
一息ついて靴を履き替え用具を確認しました。 この暑寒別岳は増毛町側から2つ(暑寒ルート、箸別ルート)と雨竜町(雨竜沼ルート)から1つの合計3ルートがあります。
ユウマは暑寒ルートを選びました。札幌から近いことと登坂距離が短いからです。
さてと…」と見上げてもここからは頂上が見えませんでしたが、ルート図がありました(この時点で8時30分)



暑寒荘画像右に池があります。
池の横を通って標識に従い登山道へ向うと道が左右に分かれます。
一つは階段、一つは細い坂道です。先で合流しているのでユウマは右を選択しました。
なかなか急な坂です。いきなりなので息が「ゼーゼー」して口から心臓が飛び出しそうです(画像左)
心拍数が上がりきっていないので無理せず一定調子で登り続けることに専念しました…そのうち体が慣れてくる…と思って下を向いたまま登っていると「はっ!」と息を呑みました(下画像左)


落ち葉が絨毯のように折り重なっているのです…
ここだけ薄黄色の大きな葉が折り重なっていてとても「綺麗わーい(嬉しい顔)」でした
右画像が1合目手前ですこの先から峰へ出て右折します。左へ行くと沢道へ下りますので帰りは注意が必要です。分岐点が目立たないので下を向いたままでは通り過ぎるかもしれません。
1合目を過ぎると道がなだらかになり心臓が少し楽になりました(下画像左)


2合目の「つつじが丘」を過ぎると周りの木々が低くなり木々の葉も落ちているので見通しが良くなりやっと頂上が目に入ります(画像左)

ああ・・・やっと見えた・・・」とシャッターを落とすと
「???・・・えっ!まじ!」と声を上げました
額から汗がタラーたらーっ(汗)と一滴たれたような気がします
なんと「頂上が白い!」のです

まっそんなこともあろうかとセーターやジャンパー
スポーツ用合羽、手袋も用意してきましたが・・・
一番気になる風の強さと気温が分かりません
とても不安を覚えました。しかし、ここで帰ったら男がスタル!と勇気を奮い立たせ歩みは止めませんでした


ユウマが登山届を記入するとき既に4人が登っていることを確認しています
(4人の装備は確認できていません)
その人たちが帰ってきたらワシも引き返そう…と決めたのです

つつじヶ丘を過ぎると岩清水ルート(現在崩壊のため閉鎖中)と合流する地点に到着します。
ここが2合目です

佐上台(画像右)



3合目(画像左)と進むと…9時25分です
登山開始からそろそろ1時間たちました
天気が良くて倒木に腰掛けながら一休みです。
…で上を見ると
抜けるような青と白樺です…葉はスッカリありません

雲ひとつない青空です


少々急な坂を上がると4合目の標識が見えました
(画像左)

ここを上がると…残雪が道の脇に出始めました
(画像右)

雪が見えると緊張が高まりました


5合目標識がある地点は、広場になっていてテントも張れそうです(左画像)
ここを上がると付近の残雪が多くなり気温も心なしか下がってきました(右画像)
風がないので寒くはありません

6合目付近には長い急坂があり
ロープを30メートルくらい使わないと登れない
地点があります
休み休み着実に高度を稼ぎました



6合目では、ほぼ残雪を踏みしめないと登れません
(左画像)

この時点であまり気が付かなかったのですが、靴が
夏靴なので水が浸みてきていたようです。
靴下が2重なので気が付きませんでした

後ろを振り返ると増毛町方面が見えました。
この時点でちょうど10時です


ハイマツ帯では残雪だらけですが(左画像)
雪が軟いのでアイゼンは必要ありません
アイゼンをユウマは持っていません…(泣)

7合目で頂上と登山道を写せました(画像右)
まだまだ遠いです…
行き着くけるか不安はありましたが
一歩一歩進むのみ…この先は神のみぞ知る…
この辺りからは高い木が全てなくなりました

横からは谷を吹き上がる風が少し出てきました


滝見台につくと看板が無残にも海側の谷に落ちてました(左画像)
後ろを振り返ると右の画像です


滝見台で頂上方向をパノラマ撮影しました
3合目付近で頂上の右側に見えていた峰が近くに見えます



斜面に沿って白樺が登山道にかぶさるようにトンネルを作っています(左画像)
ここで足元に妙な足跡があることに気が付きました
どうやらエゾシカが上から登山道を降りてきたようです
登山道は獣道にもなっている様子です

小さな小山を何個も上り下りします(左画像)


扇風岩につきました(左画像)尾根部分に
10メートル角ほどの岩が突き出したかたちで
強風の場合は這って進まないと崖下に落ちそうです
登山道が岩下にまっすぐ伸びています

上ってきた方向はこのような画像です(右)

ここが8合目です
あと少しなのか…?


上から頂上方向を覗くとこんな感じです(左画像)
下に進んで扇風岩を見あげると(右画像)
…帰りの登り返しが辛そうです


一部飛び出た岩がまるでおへそのようです
先をどんどん進みました
まだまだ9合目は先のようです

後ろを振り返ると日本海まで綺麗に見えます


9合目に到着すると(左画像)
目の前に大壁が立ちはだかりました
とにかく急で…しかも長い坂です
時間は11時24分
ここは…100メートル近くありそうです
おまけに登山道は膝まである残雪です…
到着時間は11時24分
登山口から約3時間がたっていて体力が落ちていることが
自分で自覚できます

フクラハギが10メートル進むとつりそうになり
5歩進むと太ももがつります…両足ともです
雪が表面だけ5センチくらい硬くなっていて力を入れて蹴りこまないと靴が雪面にくい込みません。

残雪を登るのがこんなに体力を消耗すると思いませんでした軟い部分に足を蹴り込み体重をかけた瞬間!
ずずず・ズボッ!」がく〜(落胆した顔)と足が膝まで沈み込むのです。


なるべく硬そうな踏み跡がある部分を選びますが
沈み込みを避けるのはムリと諦めました
右の山が一段と近い位置にあります(上画像右)

最後の試練です
何度も休憩を入れないと登れません
ふと下を見ると…さっきと違う足跡が…(左画像)
どうやら小熊の足跡です…
小熊がいると言うことは…クワバラ・クワバラ
10分ほど休憩し、スピードを落として登り続けました
ここで風が強くなってきたため下半身用の合羽を穿きました。後ろを振り向くと先程追い越した単独行の人
が見えます(黄色い合羽を着ています)


そして…急坂を抜けました(左画像)
この時点で11時45分
急坂を21分かけて登りました

視界がこんなに開けると気分爽快!
平らなので歩むスピードも元に戻りました
箸別ルートとの合流点から南東方向を写しました
(右画像)
雨竜沼ルートとはこの先で合流するようです


頂上方向も撮影しました、あと少しです(左画像)
途中でケルンがありましたので
増毛町方向を写しました(右画像)


ようやく頂上に到着です(画像左)
時間は12時04分…約3時間半の行程
痙攣した太ももの状態が気にかかります
でも休憩を何度か入れたので無理をしなければ
大丈夫そうです

最初に迎えてくれたのが山ノ神(画像右)



先ほどまで近くに見えていた峰が今では眼下です


パノラマを写しました
郡別岳(右)が綺麗です

お昼なのでオニギリでも食べて一休みしたいところだったのですが、風が強くなってきていて日本海から雨雲らしい一団が近づいてくるのが見えました。
気象が変わる兆候です
5分ほど留まっただけで下山することにしました
途中で腹ごしらえです


さぁ〜次は無事に下山しよう!
頂上手前の登山道は雪で真っ白(左画像)
疲れてましたが、まだ足元がふらつくことはありません
9合目を過ぎるといつの間にか増毛町と留萌市まで見えていることが分かりました(画像右)


登山口まで画像らしい画像を撮れませんでした。実は…転ばないように必死で…
画像を撮るどころではありませんでした

足元がおぼつかないのです

気をつけていても2度ほど転びました。それも綺麗に両足ごと「すて〜ん!」です

下り坂で雪を含んだ泥道は、登山靴のパターンを泥で詰まらせるので
踏ん張りが利かないのですね…









なんとか2合目あたりまで下山して…白樺林を写しました

登山届けに下山をサインして駐車場に戻ると午後2時半!
登りが3時間半で下りが2時間半…往復20キロの行程です

まずまずかなぁ〜…と単独行を誉めてあげました

靴の中は「びちょびちょ

やはり夏靴です…防水が利いていない







帰りに特産物のリンゴを買って帰りました

帰路で見る暑寒別岳
「あぁ…あんなに遠いところまで登れたんだ…」と感慨深いものです

日本海側を見るとやはり雨雲が…
「早めに下山しよう!」との判断は正解だったようです

 途中寄ろうと思った
岩尾温泉 夕日荘 にも見過ごしてしまし
疲れて「もういいや…また今度」と投げやりな気分で帰宅
自宅には午後6時の到着でした


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