百松沢山 南峰(1038m)北峰(1043m)
 【宮代沢ルート】
 次回の登山計画は、通常の冬道ルートから登頂後に手稲山の未踏ルートを下山しようか、初体験の百松沢山を登ろうか迷っていました。「ひしぶりに抜けるような青空が期待できそうです」と天気予報がお知らせするものですから…(良し!未体験の道をチャレンジしよう!)と百松沢山を選択しました。
 昨年初夏に登山に目覚め、冬山道具を今年購入して冬山は今回で4山目。最初の手稲山は3回目で成功し、2山目のイチャンコッペ山は2回目、春香山が1回で登頂成功と尻上がりの結果です。
 しかし、手稲山と春香山は冬山ガイドによると初級の山。イチャンコッペ山も823mと低山で往復時間は半日程度と体力的にも余裕を持って登ることができた山々でした。どちらかと言うと…物足りない感触なのです。
 今は色々な経験を積み、危険回避能力とルート判断、地形図との比較など基本的なルーチンワークを実践で覚えようと思っています。リスクをなるべく低くして安全で楽しめる登りを無意識にできるようになりたいものです。
 今回2月19日のトライは結果を先に報告すると失敗でした。悔しい思いと次回再挑戦の意欲、判断能力の重要度を改めて確認する貴重な体験になりました。

 《行程》

左画像はルート図です。宮代沢川沿いにある赤線が今回目指すルートです
もうひとつ源八沢川沿いの赤線源八沢ルートで す。現在は、スノーモービルが大挙押し寄せるルートになっており駐車スペースも採石場との兼ね合いで停めるスペースが難しいとのガイド案内なので今回は遠 慮しました。このほかに定山渓方向から登るルートがあるらしいですが、1泊とまりの行程になるもようで現在は、今回の宮城沢ルートが一般的のようです。
今回は@まで行って引き返しAのあたりをウロチョロして引き返したようです




 『出発』

手稲右股通
を平和の滝方向へ向かいます。バス停最終「平和の滝入り口」を過ぎると、右に平和の滝へ向かう道路とまっすぐ左に手稲平和霊園へ向かう道路に分かれるT字路が現れますので迷いなく霊園方向へ向かいます。
札幌市の雪たい積場を過ぎ鈴蘭ガレージを左手に見て2百mほど進み、行き止まりの5台くらいしか駐車できないスペースに向きを変えて後方から邪魔にならないように駐車しました。準備を整え出発したのが7時26分
 誰ぇ〜も来てません。まっさらな雪面です。
これはラッセルがきつそうだ)と覚悟を決めました。
イチャンコッペで初回に味わった一人ラッセルを思い出します。

二股まで小1時間と説明にあったが…倍の時間は見たほうが良いだろう…早く来て良かった…)と勝手に思っていましたが、結果から言うと…遅く来て踏み跡をたどった方が結果は良かったのかもしれません。



 25分で林道入口に到着しました(左)。ここで嬉しい発見です。
そこはかとなく…踏み跡を見つけました(右)。どうやら2、3日前のものらしいですが、わりとハッキリしていて辿り易い跡でした。
 すでに朝日は出ています。しかし、左の山に朝日がさえぎられているので日陰の中を行進しています。画像の色が青っぽいのはそのせいですが、肉眼で見た色もそのまま青です。
 薄暗い上に、周りが白い雪なので起伏の具合がよく見えません。しっかり足元を確認しながらの林道歩き&1人ラッセルになりました。



3分ほど歩くと最初のスノーブリッジが出迎えてくれましたが(左)
踏み跡が「右を渡れ」と言ってます。初めてのルート経験者には実に心強い誘導です。
 そこから5分、ガイドに載っていた鉄パイプで補強された橋の出現です(右)。まったくもって「もっこり」雪が積もっています(まるで…橋もっこりだ…)と思いました。しかし、それ以上のショックな出来事がありました。実はここまで少しの間を先導してくれた力強い踏み跡が…力強く…引き返しているのです(泣)。
 仕方ない…振り出しに戻った気持ちで鉄パイプ橋をストックで慎重に探りを入れます。なにせこの積雪量で橋ごと落ちるとも限りません。ゆっくりゆっくり進むと…急に大穴が出現しました。
 人一人が落ちそうな50cm幅で口をあんぐり空けています。両ストックを向こう側に刺してスノーシューを履いた足でジャンプを決め無事渡河成功です。(やったぁ〜)と小さなガッツポーズを決めようと橋を振り返ったらこの画像です。


 「危険につき、渡らないで下さい 札幌市西区土木部」・・・渡る前に看板出せよ!・・って多分看板はあったのでしょう。看板が埋まってしまうくらいの積雪量です。本来は進行方向左側のスノーブリッジを渡るのが正解でした。
 ハラハラどきどきの出来事で先が思いやられました。





林道は、ところどころに大穴が開いています。
林道を流れる湧水が雪を溶かすためその部分の積雪が消え段差となってしまいます。
なるべく雪山の頂上部分を歩くように、あまり道の端に寄らないようにルートを決め歩き続けます。
林道なので先がなくなることはなさそうですが、初めての道なので落とし穴が一番心配です。
スノーブリッジの選び方が、いまひとつ自信を持てません。





ようやく最初の砂防ダムが見えてきました(左)。8時22分です。
右手のほうに林道が続いています。まだまだ時間はタップリ、先が楽しみです。
すばらく進むと大きな倒木が道を塞いでいます(右)が、何とか越えられそうです。
スキーと違いこのような障害物を超える作業はスノーシューは得意です。





倒木を越えると朝日が差し込む部分に突入です(左)
どんどん進むとまた日陰部分になり雪が深くなってきました(右)。
時間は8時37分です。
思ったより疲れはありますが、イチャンコッペと違い急坂ではないので
疲れはありません。息を整えながら歩き続けることは可能です。





スキーなら真っ直ぐいけそうな小さな雪の割れ目もスキーに比べると長さが短いスノーシューでは
大回りしなければいけない部分もあります(左)
渡り終わったところで「ホッ!」として後ろを写しました
まっ…水の中に落ちるよりましでしょう





この日一番の大きな川幅が現れました。どこを渡ればいいのか迷いました。そして…怖かったです。
ここもストックで探りを入れながら…1歩踏み出しては体重をかけ落ちないことを確認して進みます。
3歩進んだところで…「えい!やぁ!」と向こう岸に進みました。
(十分落ちなさそうだたのですが…気が小さい者で…スミマセン)







向こう岸に渡ると林道の看板を発見しました(左)

8時56分、急に道がへこんでいます。
(こりゃまた大きな川か?)
と覚悟を決めて近づくと…枯れ沢でした





また砂防ダムがあり(左)
湧き水が流れる地点に(右)到着しました。
動物の足跡が着いています。
キツネか狸かもしれません。
帰り際、私より年上の方が壷足でここまで水を汲みに来ていました。
この水でコーヒーを作ったり米をたくと美味いんだわぁ〜♪」
と教えてくれたのが印象的ですが…ソリに乗せないと帰りが辛そうです。




またまたのスノーブリッジ…危険が一杯です(左)

ココを抜けると大体9時半でした
出発から2時間です
ようやくザックを降ろして一休みしました
進行方向は大きくすると文字で示されます




先が開けた地点に着きました。9時37分です。
まさかこの地点が「二股」 だったとは思いませんでした
この画像は開けた地点で右側の山に朝日が当たって綺麗だったのですね
画像右斜面に倒れている倒木があり「コッチは無理だ …」と何故か思ったのです。
自分でもそう判断した記憶があるので間違いありません。
しかし、中央にある木が目印でした。私はその目印を知りません。
ガイドにもないのです。ガイドにあった写真を持ち歩かなかったのが失敗でした。


ガイドを見て…(分りやすい地点だ )と思い込んでいたのが運の尽き…ココを過ぎても私は、左に川があることにさえ気が付きませんでした。

何故か?・・・それは大雪で川が埋まっていてスノーブリッジらしい物がなく…スムーズに中央の木の右脇を通れて先へ進むことが出来たのです。スムーズにスムーズに…気が付かないように…気が付かないように…事実は進みます。

これから後は、間違ったルートなので参考にしなで下さい。

写真と説明文だけ自分の反省の意味を込めて掲載します。

9時52分先で川の分岐を発見(ココを二股と勘違いする)






しかし、スノーブリッジを何とか渡る(左)も急な崖と小川の大群に行く手を阻まれる(下左)。





行く手を阻まれたあと、後方を写しました(右)

一度戻り、左に発見した小川方向の林に分け入りますが、あまりに急な斜面で諦め、再度右に進行しました。
コンパスを取り出し、小川の分かれている角度を測定しました。
…角度が鋭角過ぎるので(ここは多分二股とは違う…)と判断しましたが、半信半疑です。
右方向の道を進みましたが、小川沿いに進むのはブリッジが少なすぎて無理でした。
次に選択したのは、急でしたが右斜面に取り付き10メートルほどの斜面がありましたので、そこを登りました。
30m先に通り抜け、どんどん進めたのは、これまでのシュー錬が実ったおかげでしょうか?




地図通り、ここが右股ならドン詰まりの道になるはずです
ココで日差しが強くなりウルトラセブンのように変身してサングラスをメガネに取り付ける

ルート図にあった@まで何とかたどり着き
自分の行動が間違いであったことを確信する
この時の気持ち「遭難しているみたいだ…」




崖を登って迷った地点まで引き返し再度左の沢沿いへ続く林に突入します(左)この時点で頂上を拝むのは断念しています
行ける所まで行きたい一心です
右画面で左方向から右方向に渡り右斜面をトラバース気味に登ります(左斜面は雪崩の巣窟…と言うより角度がきつくてトラバースで来ません)




なんとかクリアして林を突き抜け後ろを振り返りました(左)
前方に目を移すと(右)とんでもない景色が続きます







お昼になったので昼食です(左)寝転んで上を写しました
疲れて食欲が落ちていますがなんとかオニギリを1個食べました
水筒に入れた熱いほうじ茶が体に染み渡ります

10分で食べて再度挑戦です(無謀…)
向かいの斜面の角度が急なのが分かりますか?





(左)
雲は出てきたようですが、まだまだ天気が続いています
(中)
進行方向右側も崖になりました
右を断念して沢水が消えたので中央に下りて登りつづけます
(右)チリ雪崩らしきものが左斜面に連続しているので左斜面には近寄らないようにします(気温が高ければ撤退を考慮しました)






(左)とうとう前方に巨大大大な倒木が行く手を阻みました
撤退です
このまま進んでも雪崩や斜面からの転落が考えられ無理はしませんでした
(右)下ります…よくぞここまで登ったものだ…






林道から入った林に戻ってきました
登山口に戻っていたら…二股発見!

スキーの跡がハッキリです
悔しくて悔しくて…情けなくて情けなくて…
どうしてあの時…あそこで気が付けば…と反省ばかりです




途中スキーの人たちが私を追い越して
「スイー!スイー!」と行ってしまいます
「どちらにいかれてたのですか?」
と左の画像女性に聞かれて苦笑です
隠してもしかたがないので本当のことをお話ししました
右の男性はワンちゃんと一緒で、下山速度の早いこと早いこと…スキーに魅力を感じますが…初期投資の大きさに…尻込みです(笑)

登山口に到着したのが午後2時でした
6時間半の連続行動ができ少し自信がつきました



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