百松沢山(北峰1038.1m)  

前回の教訓を肝に銘じて、ルートを間違わないように出発を1時間遅らすことにしました。
既に車が3台、霊園手前の札幌市の雪たい積場近くに駐車しています。
スキーのパーティが2人先を歩いていました。


…あまり接近すると相手パーティが気を使いますし、ラッセル泥棒と思われるのも心外なので、少し手前の鈴蘭ガレージさんで5分ほど時間をつぶしました。
前回と同じ平和霊園の駐車スペースに駐車。スタートしたのが8時40分です。
踏み跡を見ると前者達は総てスキーのようでした。

春香山で説明した通り、スキーの踏み跡は幅がスノーシューに比べ狭いです。
このためスキーの踏み跡をシューでたどる時は、足を多少内股気味にして出す足を反対の足の方向に出してから踏み込む作業が必要になります。
またスキーと違い、シューは雪圧が大きいため、雪が柔いとスキーの踏み跡をたどっても沈み込んでしまいます。

そのため、いくらスキー跡をたどったところで、ラッセル気味の行進を余儀なくされるのです(体力が持つか心配です…)。
それでも新雪をラッセルした前回と違い、標高357m二股までキッチリ1時間で到着しました。
途中先行していたスキーの3人を抜いてしまいました(30分もしない内に休憩していたものですから…)

そのため私の前を先行している踏み跡を見ると…1人だけのようです。
しかし、この踏み跡が実に力強いのです…どこでも回り道せず!一直線!のルートを着けています。
(すんごい達人か山スキーの力量抜群登山者?)と思えてきました。

では、ここからは二股を過ぎた画像です。
しばらく林道を登るのですが、道の角度が急になりだします。
これまでは散策ムードの角度しかついていなかったので息を整えながら歩きました。

道が右岸から左岸に渡りしばらく歩くと…
画像のような分岐地点に到着しました。
見た瞬間…踏み跡があって良かった…と思いました。
これが前回なら…踏み跡の右方向にある木の左側を選択しています。
間違いなく迷っています…やはり登れなくて正解だったと思いました。

だんだん雪が、深くなっています。
シューのもぐりこみが、深くなりだしました。






10分ほど進むと左画像に到着です
ここで私は「ハタッ!」と停止してしまいました。

左画像で中央部分からの踏み跡が、2手に分かれていました。
左にまっすぐ続いているスキー跡が、前走者のもの。
右に直角で急斜面を登っているのが、シューか輪カンです。






スキーの跡を信じて進んでみましたが、ズブズブとこの分岐を境に30センチ以上沈み込んでしまうのです。
道は前方で角度が急になっているのが見えます。膝高のラッセルで(こりゃムリ!)と一時引き換えし、右ルートを取ってみましたが、とても不安です。
ガイドにない道なのです。諦めて…スキー跡のラッセルに集中しました。

汗がダラダラ、20歩進んでは小休止を続けました。するとどうでしょう…右画像で踏み跡が合流していました。どちらでも正解だったようです。
ちなみに右画像は合流してから後ろを振り向いて撮影した画像です。右方向から私は上がってきました。
ここまで上がると多少雪が締まりだしました。しかし、依然踏み跡をたどっても10センチ以上沈み込みが続いています。辛いです。


いつになったら奥二股に到着するのかとそればかりを考えていました
しかし…なかなか到着してくれません
依然ラッセル気味の行進が続きます(左)
目の前の1歩を進める事に集中です








10時57分…既に出発から2時間以上になったので小休止をとりました
立ったままザックを背負ってトップ用の画像を撮影です。そして、すぐに行進開始。
頂上が見えないため(時間がどれくらいかかるのかなぁ〜…)と不安ばかりが付きまといます。

しかし、めげてばかりもいられませんので(1時くらいまでに頂上へ着かなければ引き換えそう!)と決め行動しました。
前登坂者も百松沢山と決まっているわけではありませんので…抜いてしまった3人が追いついてこないことも気がかりでした。


悪戦苦闘を繰り返して疲れが見え始めたころ左画像に到着しました
「奥二股だ!」と心で叫んでしまいました。11時42分です

これまでのきついラッセルが少し報われたかなぁ〜…と思ったら…
踏み跡は画像中央部分から右に急斜面を登っていました
内心とても不安です。

頂上まであと何キロあるのか分からないため体力の配分が分かりません。
下山の体力が持つのか…自分との葛藤が続いていました。
単独行の独特な不安です疲れは溜まっていますが(頂上を踏んでやる)と思う気持ちが強いです。
急坂の登坂は望むところ…目の前の1歩1歩を確実に進めました 。




キックステップを切るように階段を作る要領で踏みしめて登りました
小休止の間で木の横腹に着雪している様子を見て
(風が強いからだなぁ…気をつけよう…風が強くなったらフードをすぐかぶらなくちゃ…)と考えました。

20歩ずつ進むと息を整える作業の繰り返しです。









12時ジャスト、峰に上がる手前に到着しました。

木々が疎らになりだし周りが見通せるようになってきました(右)
前方に北峰の頂上が薄く見えます
なだらかな角度で踏み跡が続いています
しかし、頂上を知らないので(あれかなぁ〜…?)と半信半疑です







木々の中に入り視界がまた悪くなってから左側に雪庇を発見しました
なるべく左に寄らないように気を配り進みます…かと言って右も雪崩の巣窟です
峰幅は15mくらいでしょうか

12時37分(右)
頂上を拝める地点に到着です







左画像は峰の途中で見かけた木です
雪が団子状に張り付いてます

頂上手前のコルに取り付くと登山者が一人スキーで降りてきました。小柄な女性です。
ヘルメットをつけた完全装備でスキーの腕前もなかなかです。
私の目の前で雪煙と共に停止してお互いビックリ。

先方も、すぐ後ろに私がいると思っていなかったらしいのです。
とりあえず「こんにちは…頂上はすぐソコですか?」と聞くと
彼女は「そうですよ〜!風が強くてあまり長居ができませんでした!気を付けて…頑張ってください!」
励ましの言葉をいただきました。



ここまで一人で不安の中を悪戦苦闘してきたので「頑張ってください」の言葉が胸を打ちました。
ありがたかったです。ファイトが沸きました。
私もスキーには自信があります。このくらいの新雪なら…と思うのですがスキーがありません…(泣)

その私から見て彼女のスキーの腕前は…相当の手練でした。
1時ジャスト!頂上を踏みしめました。
右画像は南峰です1043mあります…しかし今回は条件が悪すぎなので南峰はまたいつか挑戦します。


頂上のパノラマです
右の北西方向は黒い雲がびっしり…異様です
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風が北西の倶知安方向から強く吹いており、飛ばされるまでは行きませんが
雪が顔に当たり痛いので5分ほど画像を撮影して下山しました。
カメラを構えていても手袋を脱ぐと指が痛くなり、気温の低さが伺えます

頂上手前コルから下山(北)方向を見ると大雪原が広がっています
この画像地点から一直線にシューの踏み跡を残しました!
私だけの踏み跡です!(雪が降れば総てなくなりますがね)

後ろの3人パーティーが頂上へ登っていきました




下山途中で斜面に雪を踏み固めた風除け&休憩場所を作り昼食にしたのですが、疲れすぎて…オニギリがお腹に入っていきません
半分だけ食べ温かいお茶だけ全部飲んで10分休憩して下山を再開です










雪がキラキラして綺麗でした…それほど寒いのですがね(笑)

下山途中は風が出てきましたが、順調に登山口までたどり着き駐車スペースに着いたのが3時ジャストです
登りに4時間20分、下りに2時間。前回、下山途中で痛くなった股関節(シュー付きの足を上げる動作のし過ぎで体が悲鳴をあげていました)が今回は痛みません。肉体も強化されてきたようです。

次回の予定を紋別岳…と思ったのですが…もう少し手応えのある山にしようと模索中です


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