大沼山(1111.6m)
冬山ガイドで次に登る山を熟考しているとこの山と美比内山(1071m)が候補に上がりました
どうせ登るなら…高い方がいいとバカな考えを持ち出しまして…大沼山に決定しました(金ドン賞決定!(笑))
天候は申し分なく晴天になること請け合いの天気図です
ガイドにある通り、豊羽鉱山は2005年に閉山して、今は残務整理をしています
なので鉱山入り口の選鉱所で重機が「グオングオン」とけたたましい音を立てているだけです
残りは無人の建物群がひっそりと雪に埋もれている…まるで廃墟といっていい町並みです
閉山しても5年ほどは残務整理があるということなので、2010年までは道路も除雪されているでしょう。
しかし、今は2008年、あと2年ほどでココに行き着く道が冬季間は除雪されなくなるのです。
冬山登山は、雪上車かスノーモービルでも持っていないと不可能になるでしょう。
…無意根山にも冬、登れなくなれば悲しいことですね。
さて、この大沼山は地形図に載っていません。
三角点もない尾根のピークなのですが、付近に大沼があり、いつのころからか大沼山として山スキーの対象に選ばれ、古くから親しまれた山のようです(ガイドの受け売り…回し者?(笑))
<アプローチ>
札幌市内から国道230号線を定山渓方面へ車を走らせ、途中1つ目のトンネルを抜けると交差点に出るので右折して道道1号(小樽方面)へ進みます。
何百メートルか進むと、ヘアピンカーブ手前で豊羽鉱山へ向う道道95号分岐看板が出てきます。
ここで右折して95号へ進みます。
5分ほど進むと北側(進行方向右)に札幌天狗岳が出迎えてくれました。
姿の異様さが目立ちますので、見逃すことはないでしょう。
この辺りから風が強くなり、上空の雲の流れる速さが尋常ではありません。
雪はまったく降っていませんが、風の強さは先週の百松沢山(3段山)の時より強い。
胸騒ぎがしますが「今日は絶対晴れるのだから!」と自分を鼓舞して進みました。
さらに5分ほど進むと、カマボコ屋根の選鉱所が見えてきます(左)。
道路は除雪はされていますが、路肩は穴があったり維持はされていません。
カーブもキツイので、気をつけて運転しました。
(ここでJAFを呼ぶはめにはなりたくありません)
右画像で最初の進入禁止看板が左に出てきました。
Y字道路で左は進入禁止ですが、右は道道95号なので進んでもOKです。
右画像は帰りに写したので青空です。
朝は左画像のように曇り空…強風が吹きぬけていました。あまりに上空の雲がビッシリで(これでホントに晴れるのか?)と疑心暗鬼になりました。
右に進むとT字路になります。(左画像・これも帰りがけに撮影しました)
右方向は進入禁止なので、左に進むと道路が曲がりながら高度を上げていきます。
旧豊羽小学校らしき建物が、道路からチョコンと上の部分だけ見える地点につきました(右画像)
手前10メートル付近右に(道路標記上は起点から終点に向かって右左になりますので左になりますが…)
95号の起点看板があります。
画面左の丘に(雪でよく建物が確認できません)学校の校舎と体育館らしきものが見えます。
今ひとつ、ここが登山口だと自信が持てない状態です。
他の車は1台も停まっていません。
しかし、ネットで事前調査した2007年2月の画像には、酷似していました。
斜面にはスキーの滑走跡と踏み跡が見て取れました。
ここが登山口だな、と判断し、服を着込んで靴を履き替え、用具のチェックを済ませて「いざ大沼山!」と登り出しました。
時刻は9時5分。
上の右画像に見える上方の林まで進んだころ…4、5台の車が到着しました。
(あらぁ〜もうちょっと早くおいでなさいよ…私は道知らないんだから…)
と勝手なことを思いながら画像をパシャリ!
小学校の校舎が右に写っています(左画像)。
右画像は最初の目標点840mピークに向かう途中で札幌天狗岳が見えたので撮影してみました。
赤矢印が旧豊羽小です。
上空でとても雲の流れる速度が速く、青空が見えてきました。
840mピークから登ってきた方向を写します。
(左画像)前方は木が半分から切り取られたものがあるので、目印になるかと思います(右画像)
このまままっすぐ進み次の目標875mピーク方向へ向かいました。
875mピーク手前で道が二手に分かれました。(左右画像)
左は、まっすぐピークを目指していました。
でもガイドには、ピークを北方向に巻くように迂回する、とあるので右画像の方向へ進みました。
画像の木を越えて30mくらい進むと、踏み跡が忽然と消えてしまいました。
周り一帯は、吹き溜まりになっていて見通しが利きません。
林の中なのですが、この付近は風が抜ける地点のようです。
私は、これまで進んできた方向を頭に入れ地形図を取り出しました(左画像)。
事前に磁北線とルートを赤鉛筆で書き込んであります。
また、登山口からコンパスで磁北を合わせ、進行方向を地形図から概ね合わせてあります。とてもそれが役立ちました。
(間違った方向に進んでいない確信があるだけで、心の平静度合いが違うのです)
@が駐車地点Aが頂上Bが大沼(京極町)です。
(あとで自分のたどったルートを書き直しています)
ここでユウマが使っているのはシルバコンパス(ラテン語で森のコンパスと言う意味)。
スウェーデンで開発され、磁針が回る部分にはオイルが封入されています。
このオイルはー40度にも凍りつかないもので、オイルが入っていることで手に持っていても針が震えません。
とても見やすい設計になっています。
針を信じて進むこと30m…実に正確に踏み跡をまた確認することができました。
思わず心の中で(ガッツポーズ!)です。
踏み跡をたどること5分…木が疎らになり前方が開けました(右画像)。
右(北西)側に峰があり頂上らしきものも見えるのですが、再度コンパスを出すと…進行方向は画像のまだ左方向を指していました。
(多分違う、あれは頂上じゃないだろう…地形が第1違いすぎる)と考え直し、周りを確認しながら踏み跡をたどりました。
10分も歩くと875mピークから降りてくる踏み跡と合流。
「この踏み跡は間違いなく頂上を目指しているな」と確信を持って歩を進めました。
ここに来て後方に青空が広がってきました。
依然風はビュービューです。
余市岳に雲がかかっていますが、大部分青空です。
後方をパノラマにしました。875mピークが見えます。
ひとつ林を抜けると、急斜面の取り付きに出ました。
まさかこれが頂上?と時間を見たらまだ時分です。
どうやら頂上手前の急斜面のようです。
上空を覆っている、雲の様子が分かります。
斜面を登りきると実にパラダイスな雪原が現れました。
真っ青な空です。
でも風が強くて…耳に風の音が「ごぉ〜!びゅぅ〜!」とまるでエベレストの頂上を目指しているようです(笑)
画像の中央をまっすぐ進みました。
スキーの踏み跡らしきものもこの風で消えています。
スノーシューはスキーと違い急斜面が得意です。踏み跡がなくても頂上の角度を見て「これなら直登でもいける」とふんで独自ルートです。体力ももう一山登れるくらい残っています。
11時ジャスト・頂上を踏みしめました(左画像)
羊蹄山をバックにセルフタイマー10秒で撮影しました。
3脚がないので、ザックに乗せて固定しましたが、風が強くて無理がありました(笑)
右画像の無意根山をバックに撮影をし終えた時…
後ろを見て愕然としました
雪庇に乗る所でした…あと50センチも下がっていたら落ちてます…くわばら…くわばら(左画像)
雪庇がある頂上ではくれぐれも慎重に行動しないといけませんね…反省
とにかく風が強く動画などを撮影してさっさと下山です
雪は膝下までしか沈まない状態なのでスキーのように滑るように降りました(右画像)
昼食を取るには早すぎます。また、風を避けられる適当な場所が見つかりません
どうせなら時間もあることだし、下山時は875mピークも登ってやろうと決めました。
すると、登り終えた山陰に食事するのにもってこいの場所を発見。
辺りを踏み固めてザックを吊るし昼食です。
握り飯と魚肉ソーセージ、チーズをぱくつきました。
15分の昼食休憩で下山再開!とばかりに飛び出すと…そこには…とびきりの崖(左)
やむなく迂回しましたが、そこからはなるべく直線ルートを選択して飛び降りるように下りました
駐車位置に着いたのが12時半ちょうど
下山には1時間15分を使った形です。ガイドではスキーで1時間。
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