余市岳(1488.1m) 

 4月19日、札幌近郊では最高峰の余市岳へ行ってきました。
暑寒別岳(1499.4m)に次ぐ2番目の高峰へチャレンジです。
ゴンドラを使用するので体力的に心配はありませんが、天気次第で断念しなければいけない山。
早朝ゴンドラの麓で天候の判断をしなければいけないと…覚悟を決めて1週間、思いをはせていました。

2日前からの天気予報と天気図を見る限り、心配は要らなさそうでした。
前日の天気図を見たら…「楽勝!」の天気です。
北高南低の気圧配置で、等高線の間隔が北海道の幅より大きい!。
まさに「ピーカン!」と青空が約束される天気図でした。

キロロまでの時間はHPを色々調べると札幌中心部から80分とありました。
ライブカメラもあり、その日のカメラを確認してから出立可能のようで安心しました。
登山申請の提出場所とゴンドラの搭乗開始時間も、電話で確認しました。
下の地形図を事前購入し、ルートを記入してスキー場のコースを色鉛筆で塗り分けました。
この事前の準備と地図のルート記入がなんともいえない至福の時です。
(こうかなぁ〜…ああかなぁ〜…)と想像するのがいいのです。


赤線が登り、青線が下りで@からAへはコース外を選択してショートカットさせていただきました。
但し、立ち入り禁止区域に入るのは自己責任。
頂上を目指すのも自己責任です。

さて自宅を出発したのは6時30分。
ゴンドラの搭乗開始は、9時と電話で聞きました。
道路の間違いやパンク修理など、何があっても多少は大丈夫だろうと、余裕を持たせて出かけました。

高速は使いません…急ぐ旅ではない、ドライブがてらの運転です。

地理に不案内の方は、キロロのHPに詳しく書いてありますのでご覧下さい。











途中毛無峠を過ぎ、赤井川村に入るところで余市岳が見えました。
暫く国道393号を赤井川村方向へ進むと、キロロの看板が立っていました(左)。
ここを左折してスキー場方向へ向かうと、前方にホテルピアノと余市岳が出迎えてくれます(右)。

駐車場は無料です。
第一駐車場に駐車できました(何せ7時35分です)。
それでも既に50台以上の車が停まっています。

どうやら、その辺の人が話す内容を小耳に挟むと
「??最後のスキー大会」があるようです。


登山のカッコウをしているのは、どうやら私一人。
とりあえずマウンテンセンターに向かい、情報収集と雪の具合を見に行きました(下左)。

すでに雪はザクザク状態。
センターの手前は雪がない!(右)
腕時計の気温計ではなんと18.4度!嘘だろ。

実に暖かです。
まだ、ゴンドラのキップは、販売していませんでした。
右画像の左側手前に切符売り場があります。
(どれ…切符売り場が開くまで朝の定期便でも…)
とホテル並に綺麗で広い、センターのトイレを拝借しました。




8時15分1回券チケット(1000円)を入手して(左)乗り場へ向かいました(右)。
どうやら…電話で事前確認したのに搭乗開始は8時半!…早く来てよかったぁ〜。
乗り場の建物は、マウンテンセンターの左側にあります。

画像で見える小高い屋根が2つある内、奥側の屋根の位置が入り口です。
手前は長峰第1リフトの入り口になります。






まだ誰も並んでいないので、そこら辺をプラプラしました。
石井スポーツの人たちが、スキーやスノボーの試乗会を開く準備をしていました(左)。
春スキー最終とあり…大会やら何やら忙しそうですねぇ…。

8時半…いの一番の箱に乗りました(右)。
写っているスキーは同乗者の人のものです。
(昔と随分違う…時代を感じます)








乗車して10分ほどで、余市岳が近くに見えてきました(左)。
8時47分(右)出口看板下にある棚に登山届け用紙がありました。
しっかり記入して出発です。

気温が低いはずの山頂駅についても、雪はザクザク状態。
気温は13.8度。そんなにあるのかなぁ…と半信半疑です。
空を見上げると、コンパスを切らずに目測で進んでも大丈夫そうです。

でもシッカリ切りましたよ。
あとは…楽しむ…だけ。





キロロの戦略に乗って、ニサイの鐘と余市岳を写しました。
右の夏時画像と比べる限り積雪は、2m位ありそうです。







山頂駅左に五月蝿いくらい「コース外!危険」や「進入禁止」の目印がありました。
しかし(これは何も知らないスキーヤーのため…十分調査してあるユウマには競んない標識なんだ…)
と言い聞かせて登山を開始しました(左)。

目標物がありませんので、登山記録にあった前前日の踏み跡を探しました。
画像中央にある物見台付近から後ろを写しました(右)。
国際スキー場へ向かう雪上車の踏み跡が、深く着いています。





進行方向の右(西)側はこの通りです。
ショートカットしたくなりましたが、谷が邪魔して行けません。
エッチラ、オッチラ進みます。

今回、初めて試したことがありました。
汗をかく量を少なくするため、ザックに入れたスポーツ飲料は1L(0.5L×2)。
そのほかには、煎れ立てコーヒー水筒0.5L。

無意根山登山から続けているセットです。





右手に谷を見ながら進みますが、余市岳はなかなか近くなりません
飛行場の端をドンドン進みます






谷を回りこむように進んでいるので方向感覚が麻痺しそうです。
ホワイトアウトすれば迷うことは間違いない!
しかし、今日はピーカン!登る時に目印用のテープを付ける必要を全然感じません。ドンドン進みます。確かにこの地形…迷いそうな天候で登るのは無謀というものなのかもしれません



ようやく真っ直ぐ前に余市岳を捉えることができました(9時21分)
パノラマなので進行方向を上手く伝えられませんが進行方向は赤↑、後ろ方向は青↓です




 モービルの跡は飛行場の途中から続いていました
上の画像で赤矢印方向にある這い松を過ぎて後方を写しました
雪はザラ目を過ぎてシューを履いていても途中膝まで埋まってしまう場所がたびたび出現してしまいます





雪面の色を見て固い場所らしいところを探して上ります(左)それでも10センチ近く沈み込みます
どうやら…モービルの跡が踏み固められていて一番固い状態です
不本意ですがモービルの跡を進むことにしました(右)








ようやく1258ポコ手前に到着しました

あともう少しでコルが見えるはずです

余市の肩が綺麗に見えます

よく観れば…





先月末に登った無意根が南斜面の左に綺麗に見えるではありませんか…

感激です








1258ポコに到着してコルを覗き込みました

そこかしこに這い松が出現していて…春、真っ盛り!






しばし眺めを楽しみ…コルに下がって登り口を見上げました

なんと…急峻な登りだ…肩がとがって見えます
踏み跡を観察すると雪庇近くを登っているようです…安全のために踏み跡より右方向を登ることにしました

この時期一番恐ろしいのが…全層雪崩です





急坂途中で後ろを撮影しました

よく見ると3人の山スキーの一行がコルのあたりに見てとれました…安心…
一人じゃない…





進行方向右(北)を見るとその急坂な角度が分かっていただけますか?35度以上あります
部分部分では45度くらいありました







肩に取り付き左(南)方向を見ると「あらぁ〜札幌天狗岳!(↓)さんじゃありませんか…おみかぎり♪」









右(北)方向は谷がポッカリ…山頂駅が小さく見えます(赤↓位置)










前方を見ると(左)這い松と岳樺がニョキニョキ出ています
生態系を壊さないように踏み荒らさないように雪を探すのが大変でした







先人の踏み跡は画像の真中にあります









10時17分…踏み跡を辿っていると前方に何か見えてきました(左)
どうやら遭難者を弔うケルンのようです
後ろを写しました…雪が少ない







ケルンに到着しました
銘板には学芸大学「●川松巳」とレリーフが刻んでありました
隣に鉄製の観音像がありましたが壊れてました
合唱して頂上を目指します。観音像横に「頂上はここから300mです」の看板が…
看板に従いケルンの右方向に進もうとしましたが、這い松が邪魔をします
やむなく南方向に舵を切り這い松を迂回するように頂上の看板を目指しました




頂上付近は這い松だらけです













10時28分頂上に到着です

頂上の標識で記念撮影…ザックの上にカメラを設置してセルフタイマーで撮影しました

右下に三角点の四角いコンクリートが見えます
時計の気温計ではここでも13.8度!
駄目だ壊れてる(笑)風が吹いているのでウインドブレーカーは脱げません。
5mくらいの風速で風が吹いています 。
体感温度は…カンで…10度くらいかな?




頂上のピロティ-入り口から進んできた後方を写しました

這い松だらけなのが良く分かります
矢印がケルンの位置です





進行方向の右(北)側をパノラマ撮影しました
赤矢印が山頂駅です
(小さい…)








頂上には、5分ほど滞在しました。
すると急坂途中で見かけたスキーヤーの一人が到着。
5分ほどその方とお話をしていると、残りの2人が到着しました。

合計15分ほど頂上に滞在してコーヒーを堪能…。
まだ昼食をするほど時間が経っていません。
(山頂駅まで下がって無料休憩所で昼食するかなぁ…)と考え

「お先に〜!」と3人に声をかけて下山開始です。
…この分なら札幌にも早く帰れそうです。



這い松帯を過ぎるまで苦労しましたが、何とか雪原に到着しました。
頂上付近は、なだらかな地形が続くので急坂を下る位置は、ここからよく見えません。
矢印の位置が急坂の下り側取り付きです。

矢印の向こうが1258のポコ…その向こうが飛行場…青矢印は白井岳(1290m)、黄色矢印が朝里岳(1280m)です。

コルを過ぎ1258ポコを過ぎると飛行場です
(左)
自分の踏み跡が確認できました
11時17分






随分進みましたが、まだ谷が左に見えています。










11時32分、左(北)側の谷を回りこんで余市岳が左手に見える位置まで着ました

11時41分、先ほどと同じような画像ですが随分下ってます(右)







12時ジャスト…山頂駅の無料休憩所に到着しました

あまりの暖かさに汗をかいた上着を脱ぎ窓辺で乾かしました

室内の気温はなんと!23.8度






30分の休憩を取りました。
オニギリを2個食べて、コーヒーを飲み干し、ウインドブレーカー下の上着を脱いでザックに仕舞い、出発です。
ゴンドラでチェックしていた分岐の位置(地図上B)に到着しました。

本来なら看板左側を通過して真っ直ぐ進みたいのですが、急斜面に雪がなく通行止めになっていました。
しかたなく看板の間に見える人の方向に進んで、右に進路を変更しました。
急斜面を右に巻いて地図上にある@ に進もうと急斜面コースを進みました。

すると雪がザクザクしすぎてシューが流され、堪えようとすると脹脛がつりそうになりました。
しかたなし(尻滑りだ!)と一直線に急斜面を下り坂下に無事到着。




@に到着すると(左)峰がクッキリ分かります
(ここだ!)と確信して進むと…









見事な峰です
整備した跡は一切見えません
そりゃそうです
スキー場では立ち入り禁止地区ですから
青矢印の位置にリフトの降車小屋が見えました





降りてゆくとこの画像です

地図上A
の位置に出ました







リフト脇の急斜面を下ると左の画像です
スキーヤーが一心不乱にユウマの脇を滑っていきます
しばし進んで後ろを振り返りました(右)

シューを履いていないと壷足では埋まります






13時25分、駐車位置に戻りました
既に第2駐車場まで車が一杯です

頂上から休憩時間を抜くと駐車位置まで下山に1時間14分かかった計算です







キロロを後に帰路を辿りました
途中毛無峠を過ぎると展望台がありました
小樽港が綺麗に見えました…夜に妻と訪れたい気がします
妻は「つまらん」と言うかも(笑)


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