迷沢山(マヨイザワヤマ1005・7m)  

登山口は手稲山と同じ平和の滝からです。除雪が夏場の駐車スペースまでではなく、登山道入り口までで、進行方向左側に10台程度車を置けるスペースがあります。

朝7時くらいから登山する人たちが集まってきます。今回、天気は昼まで持ちそうなので何とか頂上を踏みしめたいと思います。

1/25000地形図は手稲山です


登 山口の平和の滝が標高250mなので標高差は756m。地図上の直線距離は18センチなので1センチが1キロメートルですから約4・5キロです。登山時間 は登りが約4時間半、下りは約2時間半を予定します。問題は人の入り具合とラッセルの深さです。今回はとにかくラッセルがきつくて…スキーの人たちがいて 助かりました。私一人では頂上に到達できなかったと思います。














途中まで手稲山の登山道を30分ほど進むと送電線広場@に着きます。
ここ
で琴似発寒川にかかるスノーブリッジを探して渡ります。
目の前の急登を登るわけです…が…誰も付いて来ません。一人ラッセルが続いています。

ラッセルは積雪はもとより、雪の質でずいぶん疲労度が違います。
今回は積雪も雪質も条件的に悪い方向でした。積雪は1m近く。
前夜までの降雪が40センチ近くありそれが前日の暖気で湿度をおび…踏み込むと「ぎゅぎゅぎゅ!」と締まる雪質です。

気温が低く、湿度が少ない「ぽわぁ!」と飛んでしまうような軽い雪ではないのです。
これが下山時まで続き…体に変調を及ぼすくらい重労働でした。





















スノーブリッジは意外と大きくしっかりしていました。琴似発寒川はかなり水量があるので川音は大きく迫力がありました。
(左)画像は渡りきったところで振り返って撮影しました。(中)はその位置から進行方向を撮影しました。かなりモッコリ雪があります。
ウッスラへこんでいるので踏み跡らしく進む方向には困りません。
(右)7時49分、斜面の取り付きにたどり着きましたが見上げても鉄塔の先が見えません。相当急な角度です。













(左)8時29分、ようやく急斜面を登りきり…鉄塔の伐採跡ルートを見通しますが…気の遠くなるような雪面が続いています。
ファイトです。(右)手稲山の裏側が見えてきました。崖の様相が迫力を感じます。
























しばらく鉄塔沿いルートの右側(北方向)を進みます(左)。ラッセルの深さが膝下までになりました(中上)。
スキーと違いシューは西洋かんじきなのでかなり沈み込みがあります。シューの上に乗った雪の重さもシューの荷重と重なって私を苦しめます。
20歩進んでは呼吸を整え20歩進んでは立ち止まり、一歩一歩を確実にこなして進むます。まだまだ角度のある斜面が続きました(上右)。

2本ある送電線のうち、右側の鉄塔数で3本ほど進んだ辺りでしょうか、標高にすると600m付近を通過したしたときです。
9時3分、振り返るとスキーの団体さんが追いついて来るのが見えました(中下)。この時私は「ラッキー」と心の中で叫んでしまいました。
あまりの一人ラッセルの辛さに音を上げていたのです。…追いついてくれるのを待つことにしました 。左足の股関節が痛くなり肉体が悲鳴を上げていました。












コース脇にそれて雪洞作りの練習です。子供のころ…雪山を作ってまで毎年カマクラ作りに勤しんだ私です。
30分で作り上げ、中に入って緊急時の想定をして腰掛けられるように椅子を作り、その横で寝そべれるように中は横長です。
天井の厚みは約20センチにしました。通りかかった人が落とし穴のようにならぬよう壊してみると…以外に天井は30センチ以上あり…目測のいい加減差を感じました(笑)。

この作業をしているとスキーの団体さんが2団体も!通り過ぎ…「泊まりですか?」と怪訝な様子で聞いてきました。
いえいえ、訓練です 」とキッパリ返事しました。…これで踏み跡はバッチリです(笑)。












ここからは、右側の尾根沿いを進むため林の中を分け進みます。10人以上が通ったスキー跡なのでシューの沈み込みは5センチほどで助かります(左)。
登る角度は部分部分できついところもありますが、標高730m付近でいったんなだらかになります(右)。













後ろを振り返りました(上)












730m付近で尾根が開けたら(左)今度は進む方向が若干右(北)方向へ20度ほど変わります(中)。
(中)画像で見える林の中にはいると斜面がきつくなりだします。910mピーク手前の急斜面です(右)。












910mピークは実に平坦な場所です。(上)









↑ここが進んできた方向です。後ろを振り返ったパノラマです












11時19分、登ってきた方向の正面に目指す迷沢山の頂上が見えました。ここから進行方向が直角ほどに変わります。
頂上との境に滝ノ沢が横たわっているので直進できないのです。
(地図参照)今度は936mピークを右方向に見ながら半円を描くように回り込んで頂上にたどり着く感覚です。


















見通しがよければ頂上を左手に見ながら進むので間違うことはないでしょうが、視界が利かない場合は十分に注意が必要な地形です。
特に下山時に目立つランドマークがないのでデポ旗や目印テープなどが必要と思います(左)。頂上の奥に定山渓天岳が見えます(中)。
進むこと15分。この倒れた木の地点で進む方向を90度変えます(右)。画像中央に先行する8人ほどのスキーツアー者が見えました。ここを下りコルへ向かいます。














コルから頂上を目指しますが…ここがまた平坦な地形です…風が素通り。じぇったいホワイトアウトしたくない(左)。
いよいよ頂上手前(中)。12時12分頂上到着。7時15分に登山口を出発したので約5時間かかってますが、途中で雪洞作りもしていたので4時間といったところでしょう。
手稲山の方向で風下のくぼみを見つけ、昼食としました。

















(上)は西方向の余市岳です。石狩湾も右に見えています。









(上)は反対の東方向…中央部に札幌市内が見えます。


















12時30分に頂上を後にしたら…私が一番最後でした。サビシイ…。とにかくスキーの下山速度は速いです。
シューでは追いつけないのでユックリジックリ迷わないように行こう…と思ったら頂上眼下の平坦地で案の定踏み跡がまったくありません(左)。
心の中で「ゲッ!」と思いましたが、記憶をたどって地図で確認すると落ち着きました。コルに着けば踏み跡も回復していて安心です。

しかし、問題発生です。15分ほど頂上で休んだはずなのですが、左足の股関節が痛み出しました。
シューを持ち上げるときに「ピシッ!」と痛みが走るのです。痛むと休む。痛むと休む。を何度も繰り返し。
雪洞作業の場所で、とうとう我慢できなくなって倒れこみました。背負ったザックごと寝転び天を仰ぐ形です。

10分休むと、今度は体が冷えて汗が冷たくなりました。今度は歩幅を狭くして慎重に下ります。
下山する場合雪が崩れて足を踏ん張る姿勢を余儀なくされる場面が多いのです。
その度、顔が蒼白になりました。。。なんとか最後の急斜面を降りれば…スキー跡が斜面いっぱいです…スキーの皆さん十分楽しんだようですね。


手稲山の登山道へ復帰して途中の砂防ダムに到着すればダムに雪がドッサリこん。
積雪1m!…フッタ様子が手に取るようにバームクーヘン化していました。
登山口到着は2時30分。…まだまだ鍛え方が足りない!と反省しております。 




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