積丹岳(1255.3m)  

頂上を拝めなかった前回と違い、めっきり巷は春らしくなった3月21日に積丹岳へ再挑戦となりました。
起床したのが午前4時。4時45分に家を出て余市の夫婦岩前にさしかかったのが5時59分でご来光が拝めました。
実に綺麗な朝日でこの先が予言されたようにすがすがしい気持ちがしました





上画像は積丹町に入る時、国道沿いにあるランドマーク標識手前で様子を見せた「積丹岳」です。今回は雲のベールを脱いで実に綺麗です。

↓アプローチは登山口に続く道路の除雪が浄水場手前まで進んでいて(右と中)5分ほど楽チンができました。
中画像の左側に浄水場があります。車の奥が登山道の方向です。6時55分に出発しました。出発地点からの直線ルート画像が(右)です。
傾斜が付いた夏道なので、焦って登ると心臓がバクバクいいますからスロースタートが肝心の道のりです。

ここから右カーブしてS字で左カーブして直線になります。とにかく残雪期なのでラッセルなし。壺で行ける所まで行く予定です。
前日の誰かがルートをきっかりくっきり残してくれているので、踏み跡の場合は埋まることがありません。それ以外はモナカ状なので埋まります。



(左)の直線道路の奥が休憩所までのショートカットルートです。(中)画像。S字に大きく曲がる部分をカットします。
ショートカットしない場合、右側に炭焼き小屋みたいに小さな小屋が道の右手に出現します。短縮できる時間は概ね10分くらいでしょうか?。
右画像は夏道でスタート地点(駐車場)になる休憩所です。画像の右奥が夏道の登山口看板があります。

冬の場合、夏道が大きく右方向へ迂回しているので休憩所そばから南西方向へ向けて左へ進みます。



今回踏み跡を辿って分かったことですが、休憩所の右横を通って行くと(左)前がスッキリ抜けていて、木のないトンネルを抜けているような場所が続いているのです。
下の地図では@付近になります。まさに自分で好きな道を選べる冬道ルートの醍醐味です。
(中)画像まで進むと途中で雪面から50センチほど枝を飛び出したタランボの木があります。

そこから踏み跡が続く左方向を見ると…右画像のようになり同じように…トンネルが続いていました。まさに神に導かれているようです



7時58分、下画像の開けた部分が出現しました。画像中で右に大きな木があります。
その向こう側が頂上部分です。真正面に見えているピークが下の地図でA にある標高971mの「ピリカ台」とよばれている部分です。
とりあえず、ここを目指して画面中央を進みます。





開けた部分を進んでゆくと下画像の林に突き当たります。



この林を過ぎると地図上の@Aの間にある水色の線で描いた雪の谷が出現しました。
下画像の左部分。下山時に826ピーク付近方向へ思ったより東方向へずれて降りたので判明したのですが、この雪の谷は1キロほどの長さで続いていました。



谷の下は小さな小川になっているのかもしれません。



進むにつれて視界が開けてきます。雪面状態は一面、雨でクラストした上にウッスラ粉雪が張り付いた状態です。吹き溜まりと言えるほど雪も溜まっていません。歩みは快調です。



上の画像を越えるとピリカ台の取り付き部分です。



8時56分、ピリカ台の取り付き部分に到着しました。パノラマが上手く合成できないので連写に変えました。
ここからが森林限界です。クラストは思ったより厳しくないのでアイゼンの装着はしないでシューのまま登ることにしました。正解でした。



そらは360度の抜けるような青空!です。最高の気分!しかし、ここから万が一にホワイトアウトしても下山できるようにデポ印を結びます。
案の定、前回うった印も旗も雪で埋もれて発見できず。上の画像は8時59分、1140m付近にあるピーク横から登ってきた道を振り返った画像です。



そこから頂上を拝むと上の画像です。左脇に黒く写っているハイマツ部分が1140mピークです。ここから左にパンすると…



1140mピークと頂上との間から羊蹄山がかすんで見えました(上)



登る斜面は片流れなので、ホワイトアウト状態では、まっすぐ登ることが至難の業でしょう。
コンパスとにらめっこしても私には難しいと想像できます。
斜面に逆らうように、登ったり下ったりすれば行き過ぎてしまうことが、容易に想像できます。
恐ろしい斜面です。…といっても今日の天気であればまったく問題はありません。そこに頂上が見えていますから。



エビの状態は春のエビです。あまり発達していません。



9時25分、頂上直下の急斜面に取り付けました。



その時、取り付きのシュパカブラ部分に異様な黄色が見えました。近づくと今年のスノーボード事故跡でした。
「こんなところでビバークしたんだ…辛かっただろうねぇ…よく頑張ったねぇ…」と思い合掌しました。
わたしなら吹雪でも森林限界より下に避難していただろうに、彼には無理だったか・・・。

遭難者は、上の左画像で左方向(南側)にある崖のような急斜面に捜索隊が用意したボートごと隊員と共に滑落しています。
隊員も必死だっただろうに痛ましい二次遭難でした。
100mほど下にはプラスチック製のスコップ(これではクラスとした斜面で穴を掘れるわけないのに…)や無線機の電池パックなどがありました。

拾って一緒に置いてあげました。
天気模様で天国と地獄の差がある、冬山を肌で感じた思いです。



急斜面を登り前回の到達地点に立つと…すぐ100m先に頂上標識がありました。
上の中央画像で出っ張っている部分がそうです。これもパノラマ合成が上手く行かず連写連載形式にしました。



降り口が分からなかった後方もクッキリスッキリです(上)。



(上)画像ではパノラマなので遠くに見えますが、頂上は近いです



1分で到着して記念撮影し…あまりの縦走路の凄さに息を呑みました…




こんなところを冬に縦走する人が居るのです。多分吹雪の中でもテント内で3日は生きれる人でなければ無理でしょう…食料も食べ繋ぎで一日一食とか…(汗)



(上)は縦走路から北側をパノラマ合成しました。クラストと風紋の雪が張り付いた斜面です。



頂上から東方向(登ってきた方向)をパノラマ合成しました。
風速は約5mほど。しかし春山と言ってもさすが積丹だけです。気温はー10度。
先月がー15度でしたから、5度暖かくなっただけでした。

15分ほど頂上を満喫していたら、寒くて腹が減りました。
(6時半に登山口に到着してカップラーメンと握りを1個食べたのですが…)前回5時間かかった道のりを2時間半でこなしたからでしょうか?
疲れは前回の半分ほどですが、これ以上留まる気持ちが萎えてきたので退散することにしました。









下山は風景を楽しみながら降りていきます。
迷うことはないのですが、ピリカ台から少々東にそれてしまいました。
なんとか雪の谷と971mピークの位置で自分の場所を確認できました。

安心して食事タイムにしました。
今日もチーズと自分で握ったおにぎりが美味い!です。
「やっぱり握り飯の中身は、梅干しだぁ〜!」

登山口に着いたのは11時55分。きっちり5時間の行程でした…途中遊びすぎて下山にかかりすぎかな?(笑)
これで札幌近郊で主だった山は征服しました。
次回からは、上川地方の「大雪山系」を皮切りに登山を始めます。

夏にはニペソツと利尻岳、旭岳、十勝岳、石狩岳…そして秋までには、トムラウシをやっつけたいと思っています。
まだまだ天塩岳やカムエク、富良野岳、上ホロなど、未踏峰の山は満載(笑)。楽しみです。

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