利尻山 北峰(1718m)

道北の旭川に単身赴任してから「必ず行こう」と決めていた山です。30代の若かりし頃、旭川勤務だった当時は何度も訪れていた島ですが、そのころなんて登山に興味はなく、酒一本やりの日々だったため…甘露泉までの観光がせいぜいでした。

地形図は「利尻山」です

左画像は説明が適切なのでマップルさんのHP からお借りしたものです

登山届けは専用の「登山計画書」を宿泊先か登山口に提出します

携帯トイレはコンビニやスーパーで購入できます

買った後は使用方法を確認するのを忘れずに…

一度は利尻富士町利尻町の公式HPにある登山ガイドを訪問して下さい
















アプローチ

利尻島を目指すには、まず旭川から稚内まで、距離約250キロを走破しなければいけません。どんなに速く走ろうとも5時間は見たほうが賢明な距離です。国道40号をひた走ります。途中、名寄市内は名寄バイパス(無料)を使い美深町の手前に出ます。あとは道をなぞるように進んでください。私は何度も通っている道なので今回は音威子府村を過ぎて中川町でも旭川側にある佐久地区から国道40号を左折して道道109号に入り遠別町へ抜けて日本海側周りで稚内へ入ることにしました。だって海を見ながらのドライブは最高ですからネ。この日本海側を走る国道232号は別名「オロロンライン」とも呼ばれています。天売焼尻島に生息するオロロン鳥から名前が取られたようです。
また、道外の方には稚内空港からフェリー埠頭までは定期バスが走っています。利尻空港へも稚内空港からはアクセスできるようです。



出発した12日は抜けるような青空でした。(左画像)は天塩町で天塩川と利尻山です。(中画像)はサロベツ海岸と利尻山。(右画像)はマッスグ伸びる道道109号と利尻山です。



稚咲内(ワカサカナイ)地区で砂浜に降りてみました。上の3画像です。ここを過ぎると抜海地区でもうすぐ稚内市内に入ります




稚内市内に入り左折して国道40号に抜け、フェリー埠頭へ向かう途中で道は旧国道(中央の跨線橋部分)と現国道部分(両脇)に分かれます(左画像)。ここは間違っても片側2車線で中央よりを走り、旧国道を走らないで下さいね。ここで現国道部分を通り、1キロほど進むと(中画像)の交差点に差し掛かります。セイコーマートがある方向に右折するとフェリー埠頭に着きます(右画像)。この利礼(りれい)航路を運行するのがハートランドフェリーです。なかなか新しい建物なので施設内は設備が充実しています。車の乗船受付は1階です。手続きには車検証が必要です。料金や時刻表はハートランドフェリーの公式HPをご覧下さい。待合室は2階。エレべーターのほかエスカレーターもありレストランのほかマッサージ機も3台用意されていました。帰りは…使うことになるかも…



到着したのはフェリーが出発する2時間前…(左画像)は礼文島に向かう船です。マッタリしながら250キロの運転した疲れを癒していると…急に海上保安庁の船が放水をし始めました。どうやら歓迎の放水のようです。水の色が5色に変わりました。



そうこうするうちに利尻に向かう船が到着しました(左画像)。12日は日曜なので島の子供たちが野球や卓球と言ったスポーツ試合に参加するため多数当該に出ており、島に帰るのとぶつかって乗船人数は思ったより大目です(中画像)。しかし、30年前のアンアンノンノン族が大挙して訪れた頃に比べると…2/3くらいの人数でしょうかね。乗船する車もバスがいません(右画像)。船は車が乗らないと収支が合いません。この時期、船の運行数は増えますが、乗船客も減り9月だと…海が荒れていなくても欠航するときがあります。島の住人は「経済欠航」と呼んでいます。






さて早めに乗船して岸壁の様子を眺めているとある事に気がつきました。以前、船と岸壁の間で波の衝撃を和らげる緩衝役だった古タイヤがありません。りっぱな5mほどのショックアブソーバーが何基も着いていました。







稚内港を出たフェリーは、うねりも弱く船酔いなんかまったくすることもなく無事、利尻島に到着しました。折り返しの乗客を乗せたフェリーは、霧笛を鳴らして…いつもの顔で島を出て行きました(中画像上)。あまりに綺麗な景色にユッタリ堪能しながら船を見送り…フトわれに返ってこれからの必需品を買いに歩きました。島のコンビは、北海道にしかない「セイコーマート」しかありません。と言いますか…北海道で美深町以北はそれしかないのです。配送トラックの中継基地が他社は無いからなのですね。さて、そこで早速、当日の夕食と翌日の朝食、行動食のオニギリ2個と携帯トイレを買いまして(左画像)、本日泊まるキャンプ場を目指しました。鴛泊コースを目指すキャンプ場は2箇所あります。以前からある3合目の北麓キャンプ場と公営温泉「利尻富士温泉」向かいにある新キャンプ場「利尻島ファミリーキャンプ場ゆ〜に」です(中画像下)。今回は新キャンプ場に泊まります。近くの温泉にはコインランドリーもありますし、何よりキャンプ場には…ウォシュレットが完備されているのです。料金や利用方法が利尻富士町の公式HPに詳しいく書かれているので参照してください。1テント500円/人。温泉も大人500円。コインランドリーは300円/洗・200円/乾燥です。露天風呂からは天気が良ければ利尻山が見えるのです。 北麓野営場は3合目で標高約200m。ゆ〜には…標高約40m。標高差約1680m!通常、登山口からの往復でも往復約9時間を予定しなければいけません。今回、頂上の天気が良ければ沓形ルートに下りて、島内バスで戻る予定です。11時間程度を予定しました。天候不順なら同じルートを引き返す予定です。夜8時、テントで持ち物を確認。9時に就寝しました(右画像)。



(左画像)4時起きでテントを張ったまま出発します。貴重品は全てザックの中です。管理人のオジサンによると登山口までは「30分で着くよ」とのこと…4:42にキャンプ場を出発しました(中画像)。しかし、「私の足なら20分だな…」「5時ちょうどに登山口に着けば良いな」と高をくくったのがいけなかったのか!行けども行けども登山口に着きません…なんとか5:09に無事到着しました(右画像)。そして、なぜ私の足の速度が管理人のオジさんにわかったのか今でも謎です。登山口に到着するまで6台ほどのワゴン車に抜かれていました。



1分で登山口に到着。管理棟の右側には手前と奥に2箇所、駐車スペースが用意されています。左方向に登山道が続きます。(左画像)の中央部分に写っているのは水洗トイレです。ここから上には簡易トイレしかないので、その気が無くても寄る事をお勧めします。甘露泉手前まで500mの登山道は100mごとに標識があり、登山道も色々な人工道路で整備されています。(中画像)(右画像)



甘露泉まで50mの看板が出てきて(左画像)下って登れば(中画像)甘露泉です(画像の中央部分に流水部分があります。甘露泉を100mほど進むと3合目の標識があります(右画像)。



3合目標識からは進行方向が右方向(南)に変わり100mほど進むとポン山の裾野を巡る散策ルートとの分岐店に到着します(左画像)。ここは右に舵を取り乙女橋(中画像)を目指します。ここで先行していたご夫婦をパスします。ここから登山道は多少ぬかるみが続きました。登る角度は15度ほどでそれほど急ではありません(右画像)。



枯れた沢川と登山道が合流している部分には赤テープがシッカリ張られているので迷うことはありません(左画像)。5:43、4合目に到着です(中画像)。5合目には6:10到着(右画像)。先に10人ほどの団体さんが休憩していました。水分補給を兼ねて5分の休憩を初めて取りました。






5合目の看板と私のザック(左画像)道のぬかるみは無くなり快適な登りが始まりました(中画像)。7分ほど登ると下が見晴らせる位置に到着(右画像)。頂上はあいにく見えませんが下の鴛泊港はハッキリ見通せました。



実は(左画像)の大岩に乗って撮影したのです。両脇の茂みは濃いので時々周りが見える程度です(中画像)。6:29、ようやく6合目に到着(右画像)。80分で3合を登った計算なのでまあまあのペースでしょう。6合目は大きく開けた部分があって、晴れていれば絶景の景色…と想像しました。




前方を見ると長官山がそびえています(左上)。頂上は霧の中なのかハッキリしません。7合目はここから10分ほどです(右上)。登山道から少し脇にそれて7合目の小さな広場があります。上の見晴らし画像は6合目からの画像です。7合目で20人ほどの団体さんをパスしました。






8合目である長官山の下まではまだ時間がかかりそうです。前方の道もまだ藪の中です(左画像)。7:13、第2見晴台に着きました(中画像)。ここでも団体さんが10人ほど。どうやら7合目で追い越した団体さんと同じメンバーらしく無線で連絡を取り合っています。ここで2回目の水分補給をしていると足元に綺麗な紫色の花が岩の隙間に咲いていました(右画像)。どうやら後で調べたらイワギキョウという花らしいです



第2見晴台を過ぎると急に周りがガスってきました(左画像)。7:30、8合目に着くと周りはマッシロに近いです(中画像)。視界は20mほどでしょうか…。またまた水分補給をしてすぐに登ります(右画像)。




登山道の土質は赤い粘土質。雨が降ると厄介だなぁ…と思いました。まだガスっていますが、ポツリとは来ていないので先を急ぐことにしました(左画像)(中画像)。7:47、尾根をトレースしていた道の右側が急に崩れた崖に変身し、左を迂回するように道が進みます(右画像)。この地点から道は下るのです。避難小屋があるコルまで下がるのですが、周りがマッシロなので多少不安になりました。道はシッカリしていても後続者が着いてこないのです。2分ほど待つと男性が「オ〜〜〜〜〜イ」と大声をあげて近づいてきました。私は「オ〜〜〜〜〜イ」の後に続く言葉を待ちましたが、また「オ〜〜〜〜〜イ」と言います。私はてっきり「オ〜〜〜〜〜イ、そっちの方向は違うぞ〜!」と言われるのかと思いましたが、どうやら違ったようです。仲間同士が霧で逸れないように声を掛け合っていたのですね。良いことです。さて私は自信をつけて先を進みます。




下りを続ける中で(左画像)道は順調に続きます。避難小屋には7:49到着(中画像)。男女6人ほどが休憩していました。ここにも簡易トイレがありますが、パスして先に進みました(右画像)。













登山道の途中には得体の知れない機械らしき何かが設置されていました(左画像)。「登山者数カウンター」とあります。どうやら2センチ角ほどの大きさで下にある2箇所の部分から赤外線が出ているようです。登山者が通ると反射してカウントできるようです。この機械の前で行きつ戻りつするとどうなるのだろう…とやってみましたが…何も反応はありません。先を急ぐことにしました。避難小屋からの道は急に険しさを増します(中画像)。ガレ場が続き小石を下に落とさないよう気を使うのが大変です(右画像)。



先行する3人は私の10m先なのですが、ガスって白く写ります(左画像)。無事8:11、9合目に到着しましたがあたりはマッシロです(中画像)(右画像)。気温が8度、風も多少出てきて冷え込んできたのでバーサライトの下を履くことにしました。これから頂上直近なので道の途中で履くなど無理があってはいけません。



登る角度は想像した範囲でしたが、足元のガレかたは想像以上でした。とにかく登る際に足元の石を下に落とさないよう細心の注意をしました。なるべくすれ違う際や追い抜く際は下に人がいないことを確認します(上3画像)。






沓形ルートとの合流地点が一番道が崩壊していました。合流地点は大きな看板があるところです。登山道の整備も進んでいて「ここまで登って重い金網や太い鉄棒、土嚢の敷設は、いくら受注工事だといっても頭が下がる」と頭を下げて登りました。



合流部部を過ぎるとエゾツツジが咲いていました(左画像)。登る角度は急でガレています。とにかく下に人がいる場合、石を落とさないようユックリ一歩ずつ登るよう心がけました。先行者をパスすることを考えるより、確実に登ることを優先しました(中画像)。「利尻山山頂」の看板が見えた時、看板を抱えて「私もう駄目…貴方先に行って」と懇願する先行者の連れ合いがいました。旦那は「もう少しだから先行くぞ〜」と言ってとっとと先に行ってます。私は迷いました。休んでいるのだから私がパスしても問題は無いのですが、少し時間を置いて後ろで待ち「頂上はもうすぐそこですよ。頑張りましょう」と声をかけてしまったのです。すると奥さんは歩み始めました(右画像)。




9:00ジャスト、頂上(北峰)を踏みました(左画像)(中画像)。登り時間は登山口から約4時間50分でした(休憩含)。南峰は進入禁止です。頂上の祠が…この距離で霞みます。迷うことの無い1本道なので安心ですが、平坦な場所で何本も道がある場合、このような天候は願い下げです。南峰方向に行ってもロウソク岩さえ確認できませんでした(右画像)。ここまで私、団体さんを含め約40人以上を抜いています。団体さんとのすれ違いを考えた場合、少しでも下の位置で交差することを考え、休憩を挟まずすぐに降りることを決心しました。できれば9合目付近ですれ違えればと考えたわけです。



沓形ルートとの合流地点で団体さんとすれ違い、先行していたリタイヤ組さん達を次々追い越しているうちに!!!前方のガスが急になくなりました。ほんの一瞬の出来事です(上画像)。みなさん感動して歩みを止めていました。それまでマッシロの中ですからね…無理もありません



9:53長官山を過ぎて沓形稜と北稜の谷あいがスッキリ見て取れました(上画像)。




振り返ると利尻山は雲の下(左画像)…長官山はスッキリ見えるのですがね。私の頭同様、ガスが少し薄くなったようです(笑)



ロープがそこかしこに張られているのでそれ以上進むことはありませんが、ここをスキーで滑る画像を見て生きた心地がしませんでした。




途中撮影したエゾカンゾウの黄色が目に残りました(左画像)。来年こそ…晴れた画像を獲得したいものです

11:56 登山口が確認できました。専用の足洗い場で靴の泥を落としてベンチで休んでいたら正午です。キャンプ場ゆ〜にには12:35到着。下山連絡をしてテントをたたんで温泉に直行。ユックリ湯船に浸っていたらコインランドリーの洗いが終わり、ビールを飲んで休憩室で横になっていたら乾燥も終わりました。午後3時…今日のお宿にまたまた歩いて…到着です。夕食の美味しかったこと、この上ありません。

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