パート2からの続きです




避難小屋の朝は早いです。まだ日も空けぬ3時から宿泊者が起き出して食事の用意をする人たちが出始めます。4:02、私も起き出して外に出ると…空はピーカン!!!(左画像)。北側に昨日は見えなかったニペソツ山がきれいに見えていました(右画像)。



5:02、避難小屋を出立。先に女性の単独行者が20分ほど先に行ってます。大雪渓前にある小さな雪渓上では、朝日を浴びて天沼付近の1879mピークと下の雪渓がキレイに沼に写り込みました。


ヒサゴのコルには5:30に到着し、ザックをデポして水とカメラを持って空身で山頂を目指しました。これが大正解でした。これまで重いザックに苦しめられていた体が、空身で登る清清しさとあいまって登るテンポを嫌が上にも増長するのです。5:33登りを開始し「慌てないように」と抑える事に必死で登り始めました。登りはじめ5分で最初の登りを制覇(右画像)。前方にはクッキリ「トムラウシ山」が待ち受けます。
 


朝日を浴びてチングルマがキレイです(上)。



5:42、ヒサゴ沼からの合流点に到着(上)。











天沼には5:51到着。最近の長雨で泥水が流入してしまい透明度は今ひとつですが青空を水面に映して最高です(左画像)。この天沼を左巻きに180度巻いて進むとそこからは大きな岩のロックガーデンです(右画像)。あとでご説明しますが、私はここで進路を誤りました。(右画像)にあるピークをまっすぐ進んでしまい切り立った崖に直面したのです。



ええ…ピークの頂上からの景色は最高でした(上)。でもここからパノラマ画像の左部分に降りるのにロッククライミングを20分しました。先行していた夫婦連れは…「唖然」の一言です。旦那さんは「エライ物好きがいる」と軽蔑の眼差しでした。しかし、無事ココをクリアーし、夫婦連れをなんなくパス…順調な登りを続けました








途中で何度もナキウサギやエゾシマリスが顔を出し、私を勇気つけてくれました(左画像)。北沼手前の登りには6:34到着(右画像)。



6:41、登りを終えて北沼を眺める位置に到着し感無量です。すでに遭難事故のことなど頭の隅にもありません。



最終コルに到着し、美瑛岳への分岐点まで北沼の見える角度の違いが分かるように撮影してみました(4連写)。


(上)は分岐点で北沼方向をパノラマ撮影です



(上)は分岐点を過ぎた6:50の位置です。ここから頂上までの岩の大きさは圧巻でした。



7:05無事頂上に到着。以外にも携帯電話のアンテナが2本立っていたのであお空さん師匠に早速ご報告…送った後に気が付けば今日は休日の早朝7時でした。…起こしてしまって師匠ゴメンナサイ。



富良野岳と美瑛岳、十勝岳もがハッキリクッキリ見えていました。



双耳峰であるトムラウシのもう一つのピークが朝日をバックに黒々していました。十勝平野は雲海の下です。


旭岳をバックに頂上標識方向を撮影。自分も三脚で写ろうとしましたが、どうしても角度が悪くてバックに良い画像が取り込めないので撮影を諦めました。撮影が終わり、水の補給と一息ついてすぐに下山開始です。



(上)は頂上を目指すとき中央に見える分岐点の一つです(山頂方向を撮影しています)。私は登る際、急ぎすぎてルートを少々外しています。しかし、正規のルートが確認できたので少々強引に正規のルートへ合流しました。登る際、2回目に間違った地点です。中央に見える標識を私は直進してしまったのです。本来は左方向に行くところです。岩の黄色いペンキを見落としたのですね。私は標識の矢印方向を目指したのです。先が見えるばかりに誤った選択をした例でした。




前半に書きましたルートの最初の誤り地点です。崖に行き当たった場面の手前です(山頂方向を撮影しています)。本来は画像右に見えるピークを目指さず、左に見えるロックガーデンの凹みを目指すのが正解です。岩には黄色いペンキが確実に書かれていました。このようにロックガーデンでは岩に書かれた目印と踏み跡をシッカリ確認することが肝心と肝に銘じました。良い経験でした。手稲山ほど印はハッキリしていないのです。注意が必要です。




8:28、無事ヒサゴのコルが確認できる位置に到着しました(左画像)。良く見るとデポしたザックも無事のようです(右上)。手持ちの500mlペットは空なのでザックに詰めた2・5Lの水が命でした。三口ほど水分補給して息を整えすぐに出発しました。疲れはあるのでしょうが…自分では手稲山を登ったときより体が軽いのです。コルを抜けだし化雲岳が見える位置に9:02到着しました。もう少しで木道が見えるはずです(右下)。




9:17、化雲岳に到着。横から写すと化雲の岩は迫力があります。この上に…登ろうかとも思いましたが…遊びは時間があるときに…。



化雲岳とポン化雲の間にあるコルで撮影をしたらトムラウシにまたまた雲が発生しています。昨日も発生していた南西方向から湧き上がる雲です。





10:05、天人峡へ向かうポン化雲手前の登りで標識を発見しました。トムラウシから6キロとありますので3時間で6キロを歩いている計算です。行動時間は朝から5時間を過ぎました。来るときも寄った1947mピークで大休止をしました。4時半頃、アルファー米を食べて以来、飴を2個食べただけですが、何故かお腹が空きません。疲れのせいでしょうか?…なので水分補給だけで終わりにして10:25、最終の下りを開始しました。下りの第2公園は昨日とは打って変って踏み跡が残り全面泥沼は回避できていました。順調な下りの最中、第1公園が終わろうとする頃…水が尽きました!考えれば気温が下るにつれて上昇し、気温は20度を越えていました。水分補給がままならないなか…地獄の3キロが始まりました。残るは飴2個だけです。第1公園の水を沸かして補給をとも考えましたが、時間が惜しくて「大丈夫だろう」と計算し下りを続けました。歩みをスローにして歩幅を極力狭めます。滝見台に到着する手前で飴も尽き…33曲りの下り急斜面では…「ひとつ…ふたつ…」と数を勘定しながら意識を保ちました。頼りは、車中に残した湯冷まし1L!です。無事14時に登山口に到着。下山届けを書いて、すぐに車に戻り、開錠してイッキに水分補給です。人心地ついてから着替えをして車内で靴を履き替えました。天人峡グランドホテルのお風呂(大人700円)に入る前にも冷えたアクエリアス(200円)を一気飲みしてお風呂に入れば…肌はピリピリ!虫刺されが何箇所もあって痒いし腫れてるし…取りあえず2日分の歯磨きと洗髪、体洗いを済ませてトットと単身先に帰り着きました。夕食は残ったアルファー米に長ネギと味噌を加えて即席のオジヤを堪能。洗濯を2回に分けて干したら…バタンキュウーでした。でも最高の登山でした。やはりトムラは最高だ!

おしまい  登山道トップへ戻る

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