パート2です






ポンピ沢を渡るとそこは急登の連続でした↑




振り返るとロープ場があった雪渓の溝や十勝岳のスリバチ火口の様子がハッキリ分かります↑



















日帰り装備なので、この急登場面でも楽勝です。しかし、昨日の縦走装備でもしこの場面なら…冷や汗が出ます






↑この場面を過ぎると         ↑ここで美瑛岳らしい頂が見えました








↑7:43 美瑛岳と美瑛富士方向の分岐点に到着しまいた。ちょうど30分で急登攻略した形です。美瑛岳が直ぐそこに見えるので「ここまで約2時間半。このまま美瑛岳ー十勝岳縦走ルートで終わってしまうには勿体ない…美瑛富士も落とそう…なんなら念願のオプタテシケ山日帰りだって無理じゃなさそうだ…」と色気を出して美瑛富士方向に舵を切りました


そこは一転して岩場のルートが続いていました。そしてアクシデントは起きました。



↑岩場に入ると黄色いペンキが少なくなりだしました。それでも踏み跡があるし、先行者ペアがいるので安心していましたが、この場面で私はミスを犯してしまいました。ルート迷いです。先行者は見えません。いままで進んできていた右上方向に踏み跡らしき跡が続いていたので何も考えず進んでしまったのです。あとでこの地点に戻ってよくよく見ると…小さな石積みが左にあるではありませんか。登山道はシッカリココについていました。














↑黄色いペンキもなく、踏み跡が急に消えたため「こりゃ間違えたな…」と思い先行者を探しました。しかし発見できません。「ひょっとしてモット上に登ったら発見できるかも?」と考えた私はこの大きいほうの画像の位置まで登り先行者を発見できました。そして本来通るべき登山道も発見できたのです。しかし…本当のアクシデントはここで口をあけて待っていたのです。それは私の心の中に巣食っていた慢心なのかもしれません。本来、道迷いをしたときは冷静に道を戻らなければいけません。しかし、この時の私はどの位置で道を見失ったのか分からなかったのですね。なのである程度の位置まで戻って先行者が進んでいた登山道に合流しようと考えたのです。これが大きな間違いでした。膝下の高さだった這い松が急に頭の位置の高さになりました。下の地形図にある青線まで進み赤線で20m戻って@の場所で右イラストのようになったわけです。イラスト上の場面では急斜面の落ち込みと這い松の高さは把握できません。急に地面が無くなった形でした。縦走登山装備でなかったことを感謝しております。



這い松から脱出すると全身這い松に付着していた水滴でびっしょりでした。朝の8時。ここは1740mの高地です。迷った位置まで戻ると急に風が感じられて体から体温が奪われる感じがしたもので、フリースジャケットと真冬に使用するオーバーパンツを着込みました。着ている上下はポリエステルなど化学繊維ですが「動いているうちに乾くだろうか?」「このまま戻った方が良いだろうか?」と色々迷いが浮かびます。オニギリを食べながら少し落ち着いて考えました。怪我は一切ないし、体力もそんなに消耗していません。5分ほど休んで体の濡れ具合を様子見していたら、どうやら体温で乾いてきそうな程度なのでオプタテシケは無理でしょうが「美瑛富士までなら行ける」と決断して正しい登山道を進みました。約30分の遅延です。



美瑛岳を回り込み美瑛富士が見えてきました。↑


↑はアクシデントを説明した地形図にあるAの位置なのですが、ここで先行者が引き返してきたのです。「なんでも熊がいて戻って来た」とか…しかたありません。私も中断して美瑛岳の分岐まで戻ることにしました(泣)




分岐には9:00に到着。1時間20分の手戻りでした。しかし、アクシデントでは、いかに自分が慌てて間違った考えをするかや不安がどんなに冷静さを失わせるか…貴重な体験でした。




ここからイッキに怒涛の縦走に移ります。分岐からの縦走ルートは印や標識がシッカリしています。ガスっても一度この道を経験した人ならば迷いようがありません。


とにかくポンピ沢の源流部分の切り立ち方は半端ではありませんでした。



写真ではその迫力が切り取れません。



10:08頂上に到着しました。頂上標識は壊れてバラバラです。フリースの下は既に乾いています。自分が発する熱で乾いてしまったのです。



↑頂上から東方向を写しました。縦走路は人がいる位置から峰の左側を巻くようにして下っていきます

                           美瑛富士↑とオプタテシケ山↑その奥ポコがトムラウシです




20分休んでオニギリと水分補給し直ぐに出発しました。左隅に青く見えるのは美瑛富士からの縦走者です。




パート3へ続く 

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