天塩岳(1.557.6m)

北海道の山で200名山に選ばれている山で、道立公園にも指定されている地区にあり6月の山開きには多くの愛好家達が訪れるとか。2000m級の山々が既に冬へ突入している10月17日に士別市朝日側の登山口から挑戦してみました。前天塩岳(1540m)ルートから一旦1351mのコルへ降りて206mを登り返し天塩岳を目指します。下山は新道ルートを通り、途中で前天塩ルートへの連絡路を通りヒュッテ登山口に降りる予定です。この山は反対側の滝上町側にも登山口がありますが、士別側の方から登る人が多く整備も行き届いているようです。

地形図は「宇江内山」です。滝上町側から登る場合は「天塩岳」になります。士別市のHPからルート図をお借りしました。








アプローチ 






士別市のホームページにある登山口のアプローチ図もお借りしました。旭川から行く場合は、右下にある道道101号(下川愛別線)方向から来ます。国道39号線を北見方面に向かい、当麻町を抜けて一瞬、比布町を通過、愛別町に入った部分で中画像の部分に到着します。黄色い「協和温泉」の看板が左手に見えますので、この交差点を左折します(国道39号が北見方面へ向う高規格道路と前方で交差しますので、この交差点はその手前になります)。左折後直進すると、右画像の交差点に到着します。右前方にセブンイレブン、左に大きなお寺「慧日山金剛寺」があります。このT字路を左折します。





左折すると道道101号なので直進します。5分ほどすると左折すれば協和温泉に向う交差点に着きますが、登山口に向う分岐点までは迷わず直進し続けます。左画像の「於鬼頭(おきと)トンネル」を通過すると3分ほどで中画像に到着します。この先にある左カーブが登山口への分岐点です。右画像は、反対方向の士別側から写しました。道路の左右に分岐の印があるのでここを右折します。登山口までここから17キロとあります。対面通行なのでスピードは出せません。



舗装道路は途中までです(左画像)。途中、含鉄の沢へ向う林道との交差点が出てきます(中画像)がヒュッテがある旧道ルート登山口までは直進を続けます。新道ルート登山口の看板が見えたらもう少しです(右画像)。ちなみに新道の登山口は車が2台ぐらいしか置けませんのでご注意下さい。



5分も走ればヒュッテに到着します(左画像)。へこんだ部分に天塩岳が見えました。降雪で真っ白です。反対に進んで来た方向にある山は朝日で暖かそうですね(中画像)。車とヒュッテ(使用無料)の間に見える林道が登山口です。ヒュッテ入り口にある階段部分に入山届のボックスがあります。愛別町にある国道39号の分岐からは約40分で到着します。用意を整え6時43分に出発しました。日の出時刻は6時なので周りは明るいはずなのですが、日陰部分が続くので辺りは、まだまだ薄暗いです。気温は…マイナス3度でした。




↑最初は葉が全て落ちてしまい、裸同然の白樺林が続きます。↑8分でこの鉄橋に到着(昭和59年8月完成)。20年以上経っているので少しキシミますが踏み抜くほど老朽化はしていません。鉄橋から2分で(右画像)に到着。真っ直ぐ進むと道が無くなります。右にある平行した道に右折します。



↑最初の渡渉です。足場板の橋で2本枝分かれしたの川を渡渉します。これが長さ256キロにもなる天塩川の源流付近です。最初の何キロか部分ですね。(中画像)2度目の足場板。登山口から25分で新道ルートへ向う連絡路との分岐店に到着しました(右画像)。右に行くと新道なので今回は左に進みます。



連絡路の分岐から2度渡渉すると(左画像)登山道は進む方向を90度右(南)方向に変えます(中画像)。200mほど進むと(右画像)



またまた渡渉をし右岸に移ります(左画像)。この先、登山道は、これまでお散歩コースだった顔を変えて急登が続くのです(中画像)。最後の渡渉位置から4分で沢渡りコース(旧道ルート)との分岐に到着しました(右画像)。この沢渡りコースは地形図に載っていません。山開きの時、雪渓の残る谷あいを登っていくルートです。今回は谷あいを雪が覆っていません。落石もあるので無理しません。ここは左折します。



登山道はジグザグになり始め息が上がります(左中画像)。急登が一旦終わると前方に丸山(1433m)の一部が見えてきました(右画像)。丸山も真っ白です。



分かりやすい登山道をトラバース気味に登り続けること…どのくらいでしょう…1キロほどでしょうか(左画像)登山口から約1時間でまたまた道は角度を北方向へ変えて急登します(右画像)。



すると道に雪が見え出しました(左画像)。向かいの丸山は上の部分が真っ白です(中画像)。どんどん雪の量が増えてきだしたので(右画像)…ここで下のレイヤード(服装)にオーバーパンツを穿きました。上はフリースの下に1枚の耐風長袖と下着2枚です。まだまだ身体は冷えていませんが、冷え切ってからでは遅いので早めの対処です。




右手の東方向に天塩岳の勇姿が見て取れるようになり(左画像)。登山道は一面の雪です。角度は35度以上あります。腰を落ち着ける場所もなく休憩をしながら軽アイゼン(6本爪)を履く余裕さえありません。サングラスを落としたら「カラカラカラ…」と落ちていってしまい一瞬ヒヤッとしました。運良く10mほど下で停まってくれました。表面はクラストしているので気をつけなければいけません。キックステップを効かせ、つま先が入らない部分はカニさん歩きで高度を稼ぎました(中右画像)。



ようやく前天塩岳の頂上に向うルートと頂上を迂回してショートカットするルートとの分岐に到着しました。左斜面のそばに見えるのが天塩岳、その右隣は1470mくらいの無名峰、その右にあるノッペリとした丘が丸山です。登山口から2時間。ここで軽アイゼンを履きストックを出して足元を固めます。もちろんショートカットはしません。初心貫徹、、前天塩に向います。



ここから山は真冬の様相です。アイゼンの利きがよくて安心です。風は10mほど。身体が持っていかれるほど強くはありませんが、突風には要注意です。気を抜いた状態で直立しないよう気をつけて登り続けました。



前天塩岳の標識が見える位置でパノラマ撮影しました。滝之上方向まで青空が続いています。




9時24分、前天塩の頂上に到着しました。標識は氷が張り付きガリガリです。まさにガリガリ君…アイスバーじゃないんだから。



前天塩から天塩岳を望みました。迫力があります。頂上部分の真っ白な積雪部分下に見える谷が天塩川の源流部分です。




頂上に滞在しているとフリ−スを通して風が感じられる状況になってきたため上のレイヤードをフリースからアルパインクロージングに着替えました。これで真冬と同じ体勢です。オーバー手袋と目出し帽を装着すればマイナス20度にも対応できます。現在は…マイナス5度です。風速は10mくらいですから体感温度は…マイナス15度。暑いくらいです。頂上からの登山道は雪に埋もれて発見できません。左(北)側の崖に近寄らないよう、また右(南)側に寄り過ぎて這い松に足を取られないよう慎重に歩みを進めます。積っている雪の状態は硬雪なので歩くのには好都合です。



200mほど東に進むとコルへ向う夏道を発見できました(左画像)。しかし、ここから1351mまでのコルと天塩岳手前1400m付近までの雪の状態が悪く悪戦苦闘でした。壺足なので膝や所によっては腰まで片足が埋まる状態になるため体力を消耗してしまい、両太ももの前部分が吊ってしまいます。ダマシダマシ作戦で乗り切りです。前天塩から9分でショートカット道との合流部に到着し、15分でコルに到着。ココまでは下るだけですから埋まってもたいした影響はないのですが、ココからの登りは大変でした。



歩けど歩けど頂上が近づきません。それでも…





40分で滝上町側からの登山道と合流する部分に到着し、あえぎあえぎ最後の上り部分へと向いました。夏ならば20分の距離でしょう。






最後の登りはウッスラみえる夏道を無視してショートカットし、直線で歩いても埋まりませんでした。ガリガリです。10時37分頂上に到着。11時の予定でしたので少し早めです。登山口から約4時間の苦闘でした。

さて、下山の模様はパート2へ続きます



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