前十勝岳(1790m)

昨年の苦い教訓を胸に2度目の挑戦です。この1年で分ったことなのですが、前十勝岳の河口付近は、ボウル斜面側、カバワラ尾根側を問わず立ち入り禁止地帯であることが、判明しました。ま、立ち入り禁止ならばロープがあるだろうと気楽に考えて登りました。今回は、天候が前回より恵まれているので、多少の無理は承知で登る覚悟です。また、1〜3月までの十勝岳冬季登山を計画しているので、十勝岳避難小屋までのルートを偵察する意味も含めています。

↓冬の十勝岳登山ルート


↓今回の前十勝岳カバワラ尾根ルート(ピンク線が登り、下りは前回と同じルートを選択しました)




↓少々寝坊しました。登山口に近づくと良い天気なので心が軽くなりました。その分、気合が入り色々の事が頭に浮かびます。




↓登山届けに記帳を終えて出発したのが9:36.             ↓9条歌碑方向へ5分ほど歩くと踏み跡が2手に分かれていました。
                                           右を選択します。地震観測所からの登り返しがないルートかもしれません。



↓林を縫うように進んでいるので、方向が分っている踏み跡なのか心配になりました。
 概ね自分の考えている方向と合っているのでそのまま進みます。



↓前十勝岳が見えてきました。方向はOKです。




↓おおまかに先行者のルートが青線のように分かりました。問題は帰りに登り返しがないのかということです。この位置から滑り降りているのです。



↓上画像の@から進行方向をパノラマ合成しました。



↓その地点から後方をパノラマ合成です。青線を辿って登っています。帰りは、赤線方向を通ると登り返しが無いようです。



↓色々帰りのことを心配していると前方が開けた位置に出ました。どうやら地図で示した@の部分にいるようです。地図で見れば、この先の「ジャイアント尾根」がどのような状態なのか心配になるはずなのですがねぇ…地図を見ていないので(笑)心配もしていません。



↓前十勝岳の頂上付近だけ雲で霞んで見えているのが気がかりです。



↓順調に進んでいます。現在時刻は10:10。この辺りから尾根のうねりが細くなり、ラッセル跡があっちに行ったり、こっちに行ったりしています。
「迷っているなぁ…大丈夫かなぁ…」と心配になりました。



↓案の定、ラッセル跡はあらぬ方向へ行っているようです。戻り気味なのです。青線が来た方向。赤線が戻っている方向です。とりあえず@まで進み先を見てみることにしました。




↓するとどうでしょう…なんとも深い谷が待ち受けていました。手前に大きな雪庇があり、近づくこともできません。しかし、良く見ると、画像左下にスキー跡がありました。どうやら左に進むと回り込むことが可能なようです。戻って上画像の赤線ルートを辿りました。




↓戻ってみて、またまた亜前です。こんな急斜面でした。下の状態を良く観察し、滑り降りました。私にだってコレくらいの斜面。
 なんてことはありませんぜ。



↑限界の斜滑降で真横に進みました。今日の低温を感謝です。3月4月の高温であれば、ぜったい雪崩れている斜面です。これがジャイアント尾根でした。帰りにこの部分を通ることは諦めました。
↓なんとか底に着き、先行者が雪の付きの良い部分を選んで進んでいることが判明しました。安心です。



↓斜面を登り切ると見慣れた風景に出くわしました。



↓振り返ればこの景色です。富良野川を渡渉し、しばらく進んだ位置でした。天候が急変しないか天候と睨めっこです。風は上富良野町内方向(北西)からです。町から雲が流れてくれば警戒ですが、今のところ厚い雲がありません。安心です。



↓カバワラに到着。風は5mほど。



↓画像左にラッセル跡がありますが、風雪ですぐに隠れて見えなくなります。ホワイトアウトにはなりたくない状態です。デポ旗を車に忘れたことをこの時、思い出しました(泣)。天候は午前中、持つでしょう。気楽に登ります。



↓先行者は10人ほどでした。しかし、前回同様、肩の位置で滑り降りてしまいました。皆さん、スキーをしに来たようです。寂しいです。



↓11:26 前回の最高到達点を過ぎました。この杭に見えるのは…枯れた木です。最後の木といっていいでしょう。画像正面の這松帯雪溜りにスキーをデポしました。クラスト状態が厳しいため、シールの利きが悪いためです。下山時にスキーをスグ履いて下山できるよう、シールを外してスキーを斜面に突き刺しました。靴にはモチロン、ワンタッチのアイゼン装着です。ここからの登りが苦労しました。壺足のため、ところどころで這松帯に捕まり、「ズボッ!」と埋まります。一歩ずれると、ガリガリのクラスと斜面です。太腿の筋肉が悲鳴を上げそうでした。いえ事実、吊りそうなのでペースを落としたくらいでした。斜面角度は、それほどではないのですがねぇ・・・。修行が足りません。自戒です。



↓12:14 無事、火口観測機器を通り越し、頂上付近に到着しました。これ以上はロープがあり十勝岳方向への道を遮断しています。
 無理せずここで下山を決意しました。前十勝岳は頂上標識がありません。自分で「これ以上ない」と決めた位置が、頂上になります。



↓火口の観測機器を動かす太陽パネルもご覧の通り表決しています。要らぬ振動を与えて「火山活動か?」と誤動作させないよう気を配りました。





↓画像中央に見える凹みが千春沢です。ここから右にそれないよう下山するとスキーデポ位置にたどり着きます。デポ旗を差していないので、通り過ぎないように慎重に下りました。



↓画像中央に赤いスキー板を発見しました。ホッとしました。しかし、安堵のためか視線を外し、右に行き過ぎて…慌てました(笑)



↓でもなんとか無事、スキーも見つかり千春沢の右側を下りました。初めてのルートでしたが、なかなか雪着きがよい斜面です。お勧めです。



↓13:24 半雪洞を掘ってラーメンを食べました。7時に餅4個を食べて以来、何も固形物を入れていません。美味しかったですV(~~
 英気を養い、もう一度肩の位置まで登り返し、カバワラ尾根を滑りました。こちらは雪が固まっていて滑りづらいことこの上ありませんでした。



↓14:30に登山口に戻り、ゆっくり温泉で休養です。きょうは外人さんが多く、10人以上が入浴していました。まるで別世界です。ここ最近、冬になると富良野地方は、オーストラリアやニュ−ジーランドからの観光客が多くなるようです。BCも外人にとっては普通のスポーツなのかもしれません。



↓帰りには、夕焼けに染まる富良野岳が綺麗でした。十勝岳のあとは…この山かもしれません。




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