続きです

↓下を見ると迫力のカバワラ尾根が右に見えました。でもすぐに隠れてしまいます




↓先行者は2人の年配の方でした。進む方向が迷いながら、探しながら、なので少々こちらが不安になるほどでした。後ろに外人の3人組が居ます



↓下界は段々晴れて来たようです。しかし、一定の高度で霧が発生している様子が分かりますか?早くスッキリしないモンかなぁ…と願って登り続けました。



↓一人で登っていない心強さも手伝ってか登坂速度は落ちません。9:34に3段目に到着です




↓しかしココから先の霧がナカナカ取れないため先行していた2人の年配者たちは立ち止まってしまいました。停滞です。しかし、外人さんたちはドンドン登って行ってます。私は2人をパスして外人さんたちに追いつくことにしました。




↓しかし、頂上手前の廊下と呼ばれる部分を過ぎると風はビュウ!ビュウ!吹きつけ猛吹雪状態。10:17 頂上に到着してみると、すぐに3人は下山しようとしているので、私はチョット待ってプリーズ!とお願いし、頂上標識画像だけを撮影して一緒に下山しようと試みました…試みました…ええ、そう試みたのです



↓下はカリカリ状態の氷で雪がありません。標識の向こうは少しテラス状態になっていますが、その先は崖!右はモチロン安政火口側なので直角の落ち込みです。左は振り子沢へ続く45度の急斜面。つまり・・・3方向が崖状態の厳しい環境です。降りる方向だって、35度の氷壁ですがね…



↓私は急いで両スキーを脱いでクトーを外し、シールを剥がそうと急ぎすぎました。クトーをザックに仕舞い、シール剥がして携帯用のシートに移そうとしてシートを袋から取り出した瞬間!イチ陣の突風が私を襲いシートが私の右手から飛んだのです。ひらひら〜なんてモンじゃありません。一瞬でぴゅぅぅうぅぅぅうぅぅっぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜とどこかへ行ってしまいました…そして私は、無謀にもそれを掴もうとしてしまったのです。
あっ!」と叫んで右手を伸ばし、腰を浮かして膝立ちになった瞬間!…今度は股間に挟んだ2本のスキーの内、片方のスキーが滑りだしてしまったのです。また「あっ!」と叫んではみたものの、空しくスキーは振り子へ続くポッカリ開いた崖に飲まれて行きました。まるでスローモーションのように私は感じました。待っていてくれた外人の一人もクチあんぐり。私は「ガッデム」とののしり途方にくれました。すると外人は「ユウ、ゴウ、ゼア?」と崖を示すので。「ノーノー。アイゴーゼア」と下山方向を示しました。だって下が見えないんですよ。知らない振り子沢へなんて下がれません!。アイスバーンの上に10センチの雪が積った「滑落してくれ」と言わん状態の足元なのです。ブーツ用のアイゼンは持っていますが、1本スキーで下る自信はあったのでそれを選びました。10:40くらいに下山開始です



途中、若者にも「振り子は降りれますよ」と勇気付けられ何時かは取りに行こうと決めました
↓11:50 なんとか駐車場にたどり着き撮影していると上空は晴れ間が見え出します。どうやら「午後から晴れる」に天気予報は変わっていたようです。車に立てかけた残った1本のスキーが寂しげです。「ごめんな、俺のオッチョコチョイのせいで相棒が滑落して…」
きっと探し出してやるからな」と心に決めて温泉へ…





↑なんとも怨めしげな晴天です。右から十勝岳、上ホロの頂上がクッキリ。十勝岳、美瑛岳、オプタテシケは雲の中です。でもイイ天気。ああそれなのに、仕事を休んで来た山行がスキー滑落の顛末とは…ホントにお粗末、チョロ松、十姉妹だぁ!!

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