十勝岳(2077m)

冬の十勝岳へ、一度はスキーで登ろうと決めていました。しかし、なかなか詳しいルートを示したものが、ネットでも見つかりませんでした。
今回、大体の方向が掴めた事と、天候に恵まれたのでチャレンジしました。気になるのは、2週間前に風邪気味だった体調が完全回復せず、その後も早出など色々な仕事が重なり、山行が積めずで体力の低下が心配されました。登山口から標高差約1000m。頂上手前500mでは、まるで8000m峰を登っているような呼吸状態で、(オレ死ぬんじゃないか?)と感じるほど心肺能力が落ちていました、しかし、何とか乗り切れ、目標通りに1時から2時の間に頂上到着できました。挑戦してよかったと思います。

アプローチ

登山口は白銀荘からです。この時期、白金温泉方向からの道道は冬季通行止めなので、上富良野方面から白銀荘を目指します。旭川市内からは1時間半強のドライブ時間がかかります。

地形図

1/25000地形図は「白金温泉」です




青線が今回通ったルートです。十勝岳避難小屋から頂上へのルートは、考えると夏場に望岳台から登った時に見かけた雪渓部分を登ったことになります。



↑午前9時、白銀荘のロビーで登山届けを書いて出発しました。    ↑雲ひとつない天候で、一日楽しめそうです。前十勝岳の噴煙が凄い。
 届けによると先行者が何人か居るので安心です。



↑昨日からの暖気で、画像左に見える北海道の観測小屋の上にあった大量の雪は落雪していました。先行者は、見えません。この天気ですから、脱兎のごとく進んでいるのでしょう…。進むルートは途中まで、前十勝岳に向うルートと同じです。吹雪くと何一つ目標が無くなる地帯なので天候判断が重要なルートになります。しかし、きょうの天気は、その心配が100%必要ありません。おまけに先行者がラッセルしてくれるので、ラクチンです。積雪は10センチほどなので、通常なら独りラッセルでも問題ないのですが、今回は体力に今ひとつ自信がもてません。一安心です。



↑9:25 前十勝岳に向う途中で、富良野川を渡渉する位置に出ました。ここで万が一を考えコンパスを切ります。この天気では、目標方向を見失うことの方が難しそうですがね。一応、自分で保険をかけました。




↑渡渉して、正面に前十勝岳を見据えると…視界に見える先行者より先、青矢印の位置に踏み後が伸びていることが確認できました。
(途中で前十勝岳にお別れして左へ進めばいいのだなぁ)と考えながら先行者の踏み跡を辿りました。ここで大切なことは、自分が向う方向をシッカリ頭に入れることです。初めてのルートでラッセル跡を無意識に辿ることは危険です。先行者が何処に向っているか分かっていないのですからね。思いこみは禁物です。



↑前十勝岳のボウル斜面へ向う道筋から、この位置でお別れしました。すでに何人もボウル斜面を滑った跡が残っています。気持ち良さそうです。



↑先行していたのは3人パーティが2組です。1組がこの位置で左にそれてしまいました。前方に渡れない谷があるのかも知れません。しかし、よく見ると青矢印に踏み跡が続いています。谷があっても渡れるから踏み跡があるのでしょう。迷うことなく直進しました。




↑踏み跡を見て分ったのですが、@の3人はスキーで、Aの3人は一人だけスノーシューを履いているようです。コレが分った時、私は(まるで自分は猟師になって獣を追いかけているのだろうか?)と思いましたね。



↑左側に視線を移すと、シュプールが綺麗ですねぇ…。9:59 この位置で1回目の休憩を取りました。



↑10分の休憩で出発すると先行する3人に追いついてしまいました。どうも気が逸っているのでしょうか?地形図と照らし合わせても踏み跡はシッカリ十勝岳の避難小屋を目指していました。




↑振り返るとこの画像です。@が白銀荘Aが渡渉位置です。     ↑先行していた2組がどうやら先で合流したようです。どちらも正解のルートだったのでしょう。




↑10:16 十勝岳の避難小屋(赤↓)が確認できました。正面に岩場が見える部分が夏道ルートです。その手前を右(東)に進みます。



↑2組が合流し、この地点から右に進むことが分かります。これより先行して2人組のパーティーがいることを発見しました。



↑力強く噴煙を上げる大正火口がハッキリ見えました。         ↑今来た方向を見ると、北の峰スキー場方向がクッキリです。



↑先行する8人のバランスが良く分る画像です。直進して先行する2人の位置まで進み、そこから左に緩くカーブしてから直進します。




↑振り返ると十勝岳避難小屋が見えました。



↑北の峰スキー場と西富良野岳が綺麗ですぅ。



↑どこまでも伸びるラッセル跡。日差しがキツイ。             ↑2枚下の画像を一部分拡大しました。
                                            コレを越えると十勝岳の顔が拝めます。もうヒト頑張りです。



↑左にゆるくカーブする地点です。



↑カーブし終わった位置から今度は直進に変わる地点です。




↑なんとか登り切ると…ソコにはパラダイスが…。




↑なんとも神々しい威厳のある山ではありませんか。十勝岳の姿は、ココから見る姿が一番だと思います。



↑春の日差しに照らされて、顔は痛いのですが、雪の表面はクラストしていません。気温が低いせいですね。
温度計を忘れてしまい気温が不明です。




↑11:12 先行者達は続々スタートを始めました。私はユックリ体力回復をします。チョコをちょこっとクチに入れて、先行者の行方を眺めました。


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