第1印象「
なんてカッコイイ山なんだ
!」
第2印象「
まるでアルプスにある山みたい
…」
そして3番目に「
こんな山を俺が登っていいのか?」
と一目ぼれしときながら願望と疑問符が同時に湧く山です。なんと言っても経験のない山ですから
登山経験の長いあお空さんから「
ユウマさんなら登れますよ
」の一言を聞くと…
チャレンジ精神がフツフツと心の奥から湧き上るのを感じられた山です
お盆明け会社に着くなり
「芦別岳に行こう!」
と私のほうから あお空さんにお願いしたのです。決行日は9月5〜6日。
決行が決まった瞬間から心は既に芦別岳だけに占領されていたのかもしれません。
上の画像はどちらも残雪期の6月に撮影されたもので、「
旧道から撮影…」とあります
見つけた時点では何故この時期に登るのか、よく分かりませんでしたが
調べが付くうちになぜ6月なのかが理解できました
…ただ気候が良いと言う単純な理由ではなく、一日の時間が長く、
行動時間が長く取れる時期だからです
旧道から登るのは、頂上岩峰帯が突き出たように真正面から見られるので
天に刺さるような栄峻な姿をまぶたに焼き付けられるから…と書いてありました
実はこの頂上岩峰部分はモヒカン頭のような、ニワトリのトサカのような形をしていて
新道ルート方向からは天に刺さるような形で見えません
しかし、その形が見たいと言っても旧道は道のりが長いのです
登りだけで7時間は見なければいけません。新道を下るにしても合計10時間が必要です
時間のほかにもっと重要なこと…体力が必要です
私も10時間行動ができる自信はありません
今回は…新道のピストン登山と言うことで決まりました
さて今回の地図(1/25000)をこれまで一番長かった無意根山のもの(右)と比較してみました
距離は同じくらいです。
しかし無意根山は元山登山口(標高650m)から
山頂(1464m)まで高低差は
814mにかかわらず
芦別岳は山部登山口(330m)から山頂(1727m)と
約
1400mもの高低差があるのです。その分道が急です。
おまけに夏道なので冬道と違い直線で登れません。
その分、歩く距離が伸びます。足元もガレます。
まっ…膝丈ラッセルが続くよりはましですがね…。
新道を行くとしても…ある程度登山を経験し
8時間は登山行動を続けられる人しか
登ることを許されない山なのかもしれません
分かりやすい地図は左の通りです
札幌は左地図のもっと左側で、西方向にあります
午後2時、札幌を出発しました。国道275号を北進し、江別市角山(かくやま)で国道12号方面へ右折。
王子製紙工場前を通り過ぎてから12号線に左折し、一路、岩見沢市を目指します。
岩見沢市街を抜け峰延手前で三笠市内へ向かう道道116号へ右折します
ダム湖の桂沢湖で国道452号と合流し左折して芦別市方向へ向かいます。
芦別ダムを過ぎると三段滝PA(休憩所)に到着します。
ここから10分ほど芦別市方向へ進むと富良野市方面へ向かう道道135号との分岐に着きます
そこを右折します。大小2つトンネルを通ると国道38号との合流点に到着。合流点手前右側には今回登山後に入る
公営温泉レストラン「ハイランドふらの」があります
国道38号との交差点「島ノ下」を右折してすばらくすると
左上画像の交差点が現れます
ここを右折すると富良野スキー場へ向かいます。近道はこのスキー場方面へ曲がると近いですが
今回はよく分からなかったので直進して国道38号をまっすぐ進み富良野市外を通って山部方面へ向かいました
中上画像では、上ホロカメットク山や富良野岳、十勝岳が綺麗に見えます。天気は雲の割合が多いですがまずまずです
明日の天気が気になります。
右画像
は国道沿いにある太陽の里の看板です(山側にあります)
今晩の夕食と翌日の朝食、行動食を用意して太陽の里へ向かいました
国道からJR根室本線を越えると
左画像です。@が芦別岳山頂でその横に雲峰山、Aが屏風岩でBが夫婦岩です
雲はかかっていますが、これならばという天気。この道の突き当たりにカーブがあり、右が貯水池、左に登山口
(新道コース)と道路を挟んで向かい合う形で存在します。
登山口の道路向かいには、貯水場の記念碑と旭川商業高校定時制山岳部の慰霊塔が立っています
そこを少し進むと左に駐車場が2カ所あり、奥に広場が見えました。
とりあえず2つ目の駐車場に車を停めると…傍に登山届けを出すようなキャンプ利用ボックスがありました
脇にキャンプ用品を運ぶリヤカーがブルーテントの下に3台あったので「間違いないだろう」と早速記入してキャンプの用意
にとりかかりました
。気が付くあお空さんは早速リアカーを持ってきてくれました(
右)。私より年下ですが、キャンプも山も
経験豊富なあお空さんです。実に心強いです。しかし…どこか妙な雰囲気です。奥のキャンプサイトへ到着してみると
「第2キャンプ場」とあるではありませんか…第1はどこだ…
第1キャンプ場の位置が分かりませんがキャンプ場であることは間違いないので、そそくさとテントを張って食事の支度です。
夜も更けて美味しい夕飯も、美味しいビール6本も、美味しい日本酒2合も…ドンドン進んでいきます(
左)
とにかく気温が暑く湿度が異常に高いです。多分90%近く(不明)あるでしょう。暗くなった当初、空は雲が厚いのでしょう
星が見えませんでした。(明日は曇りを覚悟だな…)と気分も晴れませんが
お互い大人なので酔いつぶれることはありません…しっかり全て飲み干して22時ころ(多分)就寝しました。
とこにつくころには星空になりました
翌日5時起床すると(
中)昨日と同じような天気です。しかし、山は霞がかかっています。湿度が高いので途中から晴れる
ことはなさそうです。せめて頂上付近で雲が切れてくれるのを望みました
今回は羊蹄山より疲れることと、キャンプサイトが駐車位置と離れていることを考慮して
テントは撤収したうえで登ることにしました。6時28分登山口に到着(
右)、登山開始です
25分ほど笹藪とダケカンバなどの雑木林を進むと青い花が出迎えてくれました(
左)
6:57に倒れ掛かった木の枝が妙に太くなって2本、天に向かって伸びています(
中)画像中央に
あお空さんが小さく写っています
7:02(
右)登山道が途中深く掘れたようになり両脇が高くなった部分が出現しました
周りは木々が生い茂り見渡しは利きません。そんな中7:18(
左)「
呻吟坂 序曲」の看板が出てきました
(おお…これが有名なシンギンザカ…それも序曲!)・・・今度はフォルテシモだったりして(笑)と言ったら
あお空さんは「それは勘弁してほしい」と一言(同感です)
やはり覚悟していた通り…坂は急です
7:33(
中)「
呻吟坂 負けるな」に到着しました。(…負けるな…実にストレート…そうだ!負けるな!ファイト!
元気があれば何でもできる!ユウマボンバイエ!(爆))
馬鹿なことを考えているうちに7:43見晴台に到着しました(
右)。
5分休憩を取りました。高度は620mです。
↓に看板があります。板を止めていた針金が切れて下に落ちていたようです。
実際にあった場所はもうすこし右横の登山道脇なので撮影後、元に戻しました
ここから鶯谷(1220m)までイッキに高度を上げます。と言うことは…登りが一層、急になります
8:07北側の尾根方向に富良野西岳らしいに山が見えてきました(左)
高度感を増した感じがします。8:11(中)登山道がこれまで嫌と言うくらい真っ直ぐだったのですが(急なんだから…
少しくらいオマケシてジグザグになってくれないかな…と気弱になっていました)ここで急に左の西方向へ曲がりました
まさに…急すれば…通ず…です
8:24鶯谷に到着しました(右)。ここまでの感想は、登山道の角度は要諦山の時と変わりなく急な部分は多いのですが
谷に到着するまでに3度ほど平坦な部分があり、そこで一息つける感じです。羊蹄山では登り一辺倒で息が抜けません
おまけに要諦山の道には、大きな岩が多いので足を高く上げてクリアする回数が多い感じです。
比較すれば…こっちが楽…と言うのが素直な感想。攻守を変えて、ここから私が先陣を切ることにしました。5分休憩
ジグザクではありませんが、道は大きく左に行って…また真っ直ぐ進む…また左に行って…いるようです
8:41真っ直ぐな部分で「夫婦岩が見えますね」と*あお空さんに言われ、右の北方向を見ると(左
)
ガスもかからず綺麗夫婦岩が見えました。山頂は進行方向なので全然見えません。
頂上の空の様子が気になります。8:42(中
)初めてのロープ場が登場しました
足を滑らせないことを頭に入れてイッキに登ります。依然進行方向は、左の西方向へ向かい続けています
8:50(右
)突然霧がかかってきました。あたり一面、霞がかかり見通しが利きません。
「半面山まだかぁ〜
」と心が逸ります
8:51登山道を覆っていた木の切れ間から眼下右に富良野市外が見える部分に到着。
この青空なら…と期待せざる負えません
8:55(左
)2つ目のロープ場を↓方向に進み難なくクリア
9:08(中
)登山道脇に這い松が混じりだします
9:18(右
)半面山(1377m)に到着、頂上看板は頂上広場の少し右奥に位置しているので見えづらく見落としがちな場所にあります
看板をバックに雲峰山を撮影しました。依然頂上部分は確認できません
ここで登山口に先頭最初に記入があった5時に出立した単独行の男性と交差しました。
ひょっとしたら途中で引き返してきたのかと思い「早いですねぇ〜もう頂上に行かれたのですか
?」
と聞くと「いやぁ〜早くに登りましたから
…」と謙遜の言葉
再度「頂上の様子はどうでした?ガスってませんでしたか
?」と尋ねると
「手前(東)側は見えませんでしたが、反対が少し見えましたかねぇ
…」と確かな答え…頂上から下は見えないんだぁ…
と落胆しつつも(この位置で交差すると言うことは相当な健脚!3時間で登らないと、ここには到着できないはず
)
と改めて*あお空さんと話し、驚愕したしだいです
一目見たら…余分な肉がありませんでした(笑)
9:23半面山の広場を雲峰山へ向けて出た場面が上の画像です
中央にデンとあるのが屏風岩です。まだこちら側からはその全貌を現していません
あとで判明しますが…実に素晴らしい岩壁です。ぜひ旧道からの眺めを見てみたい気がしました
半面山からは少し下ります。下りきったところが熊の沢で長年の草が堆積して泥炭地のようになり
ドロドロで熊も飲まないような水がありました
左画像はその熊の沢にある旭川商業高校定時制山岳部の遭難慰霊碑です。
昭和31年6月に2名の学生が亡くなっています(合掌)
屏風岩の裾野をなぞるように進むと雪解け水のせいか登山道が高さ1mほど掘れてしまい両脇が
堤防のようになっていました(中)登山道が排水路の役目をしているようです。
雲峰山の取り付きで屏風岩をバックに後ろを歩く*あお空さんを撮影しました(右)
登山道は大きくジグザクになり2回ほどつづらを折ると息を整えるために立ち止まり休憩を取ります
心臓バクバク…雲峰山はもうすぐそこです
あと雲峰山頂上まで2回ほどつづらを折れば…と思った位置で後ろを振り返ると屏風岩と半面山が見えます
隊長も今日の足取りは順調のようです
あと1回つづらを…と思ったらいきなり慰霊碑がカーブにありました
「あれ?誰の慰霊碑…」と思い合掌したあと後ろを拝見すると
昭和55年10月、田中○×…とあります
旭商の遭難者名は早坂さんと八乙女さんなので関係者でしょうか?
新たな遭難?(現在調査中です)
さてさて…歩を進めましょう…一区切りまですぐそこです!
次(雲峰山編)へ続く